『極東ロシアのモダニズム 1918-1928: ロシア・アヴァンギャルドと出会った日本』 _Modernism in the Russian Far East and Japan 1918-1928_ 町田市立国際版画美術館, 町田市原町田4-28-1, tel.042-726-2771. 2002/4/6-5/19 (月休;4/29,5/6開;4/30,5/7休), 10:00-17:00 (土日祝10:00-17:30). - David Burluik, Viktor Palmov, Niktopolion Naumov, Pavel Rybalsky, etc Khabarovsk や Vladivostok といった極東 Russia の都市を拠点に活躍し、 1920年に来日し Russian の芸術運動を伝えた David Burluik や Viktor Palmov の2人の作家を中心に、当時の極東 Russia や日本の Modernism / Avant-Garde な芸術運動を紹介する展覧会が開催されている。Khabarovsk や Vladivostok の 美術館の所蔵品がけっこう来日している。レアな気もするが、重箱の隅を突つく ような感もある展覧会のように思った。 入ってすぐに El Lissitzky や Kazimir Malevich のような構成主義的な作品 (それなりに観なれた…) が並ぶせいか、メインの極東 Russia の作家の作品を 観ると、あまり Avant-Garde な印象はない。未来派、というか、後期印象派から 立体派あたりの影響を受けたモダンな絵が目に付いたように思う。そんな中では 純粋芸術の絵画よりも風刺画の方が面白かったように思う。最も気に入ったのは、 Niktopolion Naumov のものだろうか。 日本側の作品については、確かに Burluik や Palmov との直接交流はあったの だろうけど、欧州 Avant-Garde の中でも特に Russia のものからの影響が強いと いうわけでもないように思った。映画 _Metropolis_ (Fritz Lang (dir.), 1927) をネタにしたであろう絵とかもあったし。むしろ、展覧会の企画とは別に、 モダンな図柄の日本画の掛け軸 (尾竹 竹坡 『月の潤い・太陽の熱・星の冷たさ』 (1920) とか) の方が、あまり目にする機会が無いだけに、新鮮に観ることが できたように思う。 2002/04/28 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕