世田谷アートタウン2002 ― 三茶 de 大道芸 三軒茶屋界隈 (世田谷区) 2002/10/26,27 『三茶 de 大道芸』は、三軒茶屋で毎年開催されている大道芸フェスティヴァルだ。 今年は土曜日26日に雨に祟られたので、日曜日27日のみ観に行って来た。 今年観た中で、最も気に入ったのは、France から来た男女2人組 Banc Public の _Banc Public_。ダンス、アクロバット、ジャグリングを組み合わせて、街のベンチ での男女の駆引をネタにしたロマンチックなフィジカル・シアターを組みたてていた。 特に客弄りや街中の状況を活用するわけでなく、小さな劇場でやっても良いような 作品だった。だたし、カンパニー名が「公共のベンチ」であるように、公共的な 場に置かれたベンチという舞台にはこだわりがあるよう。派手な技は使わなかった けれども、雰囲気で観せてしまうところもあったように思う。しかし、ちょっと こぢんまりとした印象もあった。 Lyon, France から来た stilt (高足) 男女2人組 (Carole Gentil と Christophe Guetat。だたし、このカンパニーには他にもメンバーがいるよう) は、伸縮する 布のチューブを両側から被って変形しながら街中を動き回るというもの。抽象的な 白黒の色合いといい、見馴れない地球外生物という感じで、不思議というか ちょっと不気味な印象もとても面白かった。 去年は雨で観ることが出来なかった Cie Albedo の _Les Bigbrozeurs_ は、高足で はなくて、高い人形の被り物。特に何か演技するというわけでもなく、街中を歩いて、 驚かせたり、人を囲んで怖がらせたり、というものだった。街中でふっと遭遇したら 面白かったかもしれないが、ステージで待ち受けて観るには、ちょっとベタ過ぎる ように感じた。 日本の芸人の中で最も良かったのは、去年も観た、が〜まるちょば (Gamarjobat) による、「サイレント・コメディ」 (コミカルなパントマイム)。前半の小ネタの 連続のテンポも、滑ったネタの流し方も含めて、とても良かったと思う。最後の 「暴走するリモコンロボット」のネタも相変わらずだったけれども、客の弄り方・ 交え方で、起きることが違ってくるし、とても楽しめた。劇場での公演もやって いるし、今、お薦めの芸人だ。 (「ブラン・パブリック」と「ボアイオ」でエントリーしていたものについては、 正確なカンパニー名、演目名がそれぞれ Banc Public, _Banc Public_ と Les Veilleurs, _Boa'yo_ と判明したので、それに合わせて記述を修正しました。 (2003/10/20)) 2002/10/27 (2003/10/20修正) 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕