『Life / Art '02』 資生堂ギャラリー, 銀座8-8-3 (銀座,新橋), tel.03-3572-3901, http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/ . 2001/11/26-1/26 (月休;12/27-1/6休), 11:00-19:00 (日11:00-18:00). - 今村 源, 金沢 健一, 須田 悦弘, 田中 信行, 中村 政人. 去年第一回が開催された5人展の第二回。出展作家は去年と同じで、この5人で 5年かけて5回の展覧会を開くという。去年、金沢 健一 の作品「音のかけら」を この展覧会で初めて知った、ということもあり、今年も観に行った。 金沢 が今年出展した「音のかけら ― 家族のためのテーブル」は、工業用鉄板を 不規則に切って打楽器に仕立てた「音のかけら」を、食卓状に仕立てたもの。 床に並べた場合と違って、「振動態」的な使い方もできて、面白いと思った。 しかし、ギャラリーに行ったときにちょうどやっていたパフォーマンスは、 旋律やリズムの無い即興的なものだったが、音それだけでは正直に言ってあまり 面白いと思わなかった。創作楽器の場合、即興的な演奏よりも、ある程度 知られた曲を使った方が、従来楽器との差異が際立って面白くなるんだろうか、 と、観ていて考えさせられてしまった。今回のパフォーマンスは、むしろ、 この作品を使ってこういう音が出せます、というデモンストレーションという 意味合いが強かったのかもしれない。パフォーマンスが終って、多くの観客が 「テーブル」を囲んで音を出し始めるのを見る/聞くほうが面白かった。 ちなみに、会期中、ミュージシャンとの共演も何回か予定されている。 そういうパフォーマンスとなると、また別かもしれないが。 他の作家の作品で印象に残ったのは、中村 政人 『nIALL_東日本ハウスv1.3』。 いわゆるメーカー住宅、それも2階建てのものを、そのままギャラリー内に 持ち込んだというもの。作品のコンセプトやバックグラウンド (ギャラリーで 配布されているキュレータによる資料を読むと、制度論に過ぎて逆に鼻白む) は 別として、これだけ巨大なものを持ち込んだ力技的なインパクトは楽しめると思う。 2002/12/08 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕