ダメじゃん小出とその仲間たち 『黒く塗った! in 野毛』 横浜にぎわい座シャーレー (桜木町) 2003/04/17, 19:30- - ダメじゃん小出, Kaja, VJコミックカット 去年の11月にある高校の芸術鑑賞会として行なわれた『黒く塗れ!2002』の 一般向け再演が、『野毛大道芸2003』の協賛企画として開催された。 ダメじゃん小出 の単独公演ではない、という点でどういう相乗効果があるのか、 という興味もあって観に行ってきた。 現在の緊迫する国際情勢を反映して、ダメじゃん小出 のネタは、イラク戦争や 北朝鮮問題をぐっと押し出したもの。特に、ブッシュ+ブレア記者会見ネタは、 ブッシュを笑い飛ばすような本も売れている現在いささかベタだとはいえ、 映像との合わせ方が絶妙でとても面白かった。時事ネタへの毒舌といっても、 攻撃的というより、ちょっととぼけた感じで、そのちょっとずらされたような 感じがとても良いのだが。単独公演を観たときは映像を使っていなかったわけ だが、映像使いもこなれているなあと思ったし、それが観れたのは良かった。 しかし、以前から思うのだけど、彼の時事ネタの毒舌コントというか話芸が 一番面白く感じる所は、大笑いして盛り上がるのではなく、ニヤリとしたり、 苦笑いするという感じのもの。これは、アグレッシブというより、ズラした 感じのするキャラクターのせいもあるのだが。会場の盛り上がりと直結しない 面があって、それが難しいなあ、と、つくづく思ってしまった。客が笑わ ないから、ウケていない、というわけでないと思うのだが。 Kaja のジャグリングも、チューニング済みのプラスチックの筒を使った 音まで楽しめるジャグリングなど、騒がしい大道での芸よりもハコの方が 楽しめると思われるネタもあって、楽しんだ。しかし、Kaja だけちょっと 浮いてしまった感もあって、ダメじゃん小出と絡むようなネタもやって 欲しかったような気もした。 映像を使ったネタとして、ブッシュ+ブレアのネタが一番印象に残ったせいか、 VJコミックカット単独のものは、ちょっと霞んでしまっただろうか。 2003/04/17 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕