『美の戦士たち』 _Les Guerriers de la Beaute_ (a.k.a. _The Warriors of Beauty_) - France/Belguim, 2002, 71min, 35min, color. - Written and Directed by Pierre Coulibeuf, adapted from a special re-creation by Jan Fabre. - Els Deceukelier, William Forsythe, Annabelle Chambon, Cedric Charron, Sabastien Cneude, Anny Czupper, Lisbeth Gruwez, Heike Langsdorf, Erna Omarsdottir, Geert Vaes, Jurgen Verheyen, Helena Troubleyn, Edmond Fabre, Emio Greco, Wim Vandekeybus, Dirk Roofthooft, Marc Vanrunxt, Jan Fabre, etc. 現代美術や現代ダンスの分野で活躍する Jan Fabre のアイデアを映像化 した映画は、素直にシュールな映画だった。舞台を観たことがないこともあり、 甲虫で作った甲冑 (メインでフィーチャーされた Festival d'Avignon 2001 (アヴィニョン演劇祭) のポスターもこれだった) の印象が最も強い作家だ。 そんな虫がたくさん出てくるし、甲冑というか中世的なモチーフも多い。 映像の撮りかたに凝ったところはなく、虫や粉やどろどろしたものと戯れる ような人々を撮っていくという感じだ。それも名だたるコレオグラファーや ダンサーを出演させているだけあって、彼らの人間離れした身のこなしが シュールさを際立たせている。 舞台はおそらく大戦中に作られた要塞の跡。意匠的には例えば中世の城に 比べて装飾もなくモダンだが、廃墟的な雰囲気がシュールな出来事が起きる 空間としてはうってつけだったかもしれない。 しかし、観ていて『クレマスター』 (Matthew Barney (dir.), _Cremaster_) を連想させられるところもあった。メタな映像手法は控えめにシュールな 映像を撮ると、こういうふうになりがちなのだろうか、と思ってしまった。 2003/05/05 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕