Studio Azzurro, _Meditazioni Mediterraneo_ 『地中海を巡る想い』 森アーツセンター53Fギャラリー, http://www.moriartscenter.org/, 六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52-53階, tel.03-6406-6100. 2003/05/18-06/15, 10:00-20:00 (金-日10:00-21:00). ファッション・ブランドの Hermes の主催で、Studio Azzurro によって Castel Sant'Elmo, Napoli で行なわれた展覧会が、六本木にやってきた。 ちょっとインタラクティヴな映像で、地中海を7つの視点からプレゼンテーション するというもの。感覚的な『ナショナル・ジオグラフィック』、という感じで、 美しい風景を捉えた雰囲気は十分に楽しめた。地中海岸の伝統的な農業漁業や 手工業を捉えた映像をモニタの輪の中で観る、といった展示にしても、今まで いくつかの展覧会で体験した居間カフェ〜カウチポテト的なビデオ・プレゼン テーションと比較しても、最も観られたものだった。 しかし、Studio Azzurro の作品として観た場合、今まで観てきた中で最も 楽しめなかった。単にインタラクティヴなマルチメディアということではなく、 仕組のトリガの直感的な因果関係の判りやすさと、ユーモアを感じさせる仕掛けの いたずらっぽさが、Studio Azzuro の作品の魅力だ。たとえば、2001年の La Biennale di Venezia での _The Cloud_ では、天井から吊されていた羽根が トリガになっていたのだが、特に指示されなくてもちょっと息を吹きかけて みたくなる、といった仕掛けの巧さが、とても良かった。しかし、この六本木 での展示では、そういう部分を、全て、フロアガイドが鑑賞前に説明してしまう。 「ここから三脚に真直近づいて行きますと、映像が変わりますので……」と。 おかげで、全く興醒めしてしまった。ま、そう指示されると、三脚のほとんど 真横からアプローチしてみる、とかしたくなるわけだけど。液晶かと思って いた小型のモニタが、かなり浅い角度からも観られるものだったり、と、 それはそれで面白かった。 もともと、Napoli の城を使ってのインスタレーションだったようで、そういう 空間の中にこの手の映像が置かれていたら、もっと雰囲気があったろうに、と いうのも残念。展示空間がちょっと安っぽかったかもしれない。 確かに出口で売られていた Hermes の『地中海』グッズとかあったけれども、 タイアップにありがちな安っぽい商売気がほとんど感じられなかったのは、 良かったように思う。 この作品のウェブサイトは、http://www.studioazzurro.com/mediterraneo/ 。 作品の雰囲気を伝える、なかなかよく出来たサイトになっているように思う。 2003/06/12 嶋田 TFJ 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/