中川 幸夫 『誘いの夢…』 Yukio Nakagawa, _Ondas Oniriques_ メゾンエルメス8階フォーラム, 銀座5-4-1 (銀座), tel.03-3569-3611. 2003/07/26-10/05 (水休), 11:00-19:00 ラベンダーの花を使ったインスタレーション。といっても、花というか蕾だけを 使っているので、遠目で見ると、荒い砂か樹脂のペレットのようにも見える。 もちろんラベンダーの香りもするが、それほど強烈ではない。 そういう「砂」を、白い布やビニールシートなどを交えつつ、ちょっと不規則な 感じに敷きつめた作品だ。薄く散らばっているだけの所もあれば、小さな山に なっている所もある。ラベンダーの花も淡く紫色がかった灰色のものと、 青く染色したものを使い、色も半ば不規則に混じっている。 この手の素材を使ったインスタレーションというと、Andy Goldsworthy の 枝や葉と、Wolfgang Leib の花粉や米粒の中間という感じでもあるのだが。 欧米の作家が幾何的に単純な形状に向かいがちなのに対して、ちょっとした 乱雑さを演出しようとするところが違うか。どちらも嫌いではないが。 このハコでの前回の展示である 郡 裕美 『すべては流れである』 もそうだったが、 ちょっとした庭園的な感じもあって、淡いラベンダーの香りもあって、安らぐ 感じがする。銀座のちょっとした空中庭園という感じにしたいのだろうか。 しかし、中川 幸夫 の作品を初めて見たのは、1996年の Comme des Garcons 青山本店。そのせいか、今回の Hermes のスペースでの展示といい、ファッション ・ディスプレイとの親和性の高さを感る。 2003/08/20 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/