Nederlands Dans Theater III _Kylian Project for Sabine_ 彩の国さいたま芸術劇場大ホール (与野本町), http://www.saf.or.jp/ 2003/09/06, 15:00-16:30 - _When Time Takes Time_ (2002), _Far Too Close_ (2003). - choreography,stage design: Jiri Kylian. assistant: David Kruegel. music: Dirk Haubrich. costume design: Joke Visser. light design: Kees Tjebbes. video/film on _Far Too Close_: Rob de Groot. - Sabine Kupferberg, Egon Madsen. Nederlands Dans Theater の40歳以上のダンサーからなる III (NDT III) の 公演は、女性ダンサー Sabine Kupferberg をメインにしたプロジェクト。 NDT III の公演というより、実質、Sabine と男性ダンサー Egon Madsen の デュオだ。 上演したのは、去年演った (観ていないが) _When Time Takes Time_ と 新作 _Far Too Close_。今回で観るのは三回目だが、最もロマンティックな 印象を受けた公演だった。Kylian と NDT III にはユーモアを期待している ところが大きく、その点ではちょっと物足りなかったが。 _When Time Takes Time_ は舞台の奥行中程あたりに横方向いっぱいに下げ られた白い布が印象的な作品。白い布の向う側から登場したときの、 ライティングによってシルエットや布のドレープの変化を見せるあたりは、 かなり奇麗。2人の動きも緩やかながら美しさを見せようという感じだろうか。 ちょっと痴話喧嘩をネタにしたような動きになったときに、ユーモアも感じた けれど。 一方、新作 _Far Too Close_ は、少々シュールでグロテスクにすら感じた。 まっ赤な花びららしきものが敷きつめられたステージというのもあると思うが、 Sabine を等身大で象った人形が、その雰囲気を強く出していたが。その人形を 引きずりながらステージを歩き回るところで幕が下りる、という終り方が 印象に残った。思えば、白い羽毛が鍵の _Birth Day_ もシュールではあるし、 形式的には近さを感じるのだけど。_Birth Day_ はユーモアにつながって いったものが、ここではグロテスクな感じにつながっていっている、といった ところだろうか。 今までのようなツボへのはまり方はなかったし、ちょっと地味かなぁ、とは 思ったけれど、普通に楽しめたステージだった。 sources: Nederlands Dans Theater, http://www.ndt.nl/ 2003/09/06 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/