Rosas, _Rain_ (2001) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール (与野本町), http://www.saf.or.jp/ . 2003/10/11, 15:00-16:20. - Choreography: Anne Teresa De Keersmaeker. Music: Steve Reich, _Music For 18 Musicians_ (1976). Set and Lighting: Jan Versweyveld. Costumes: Dries Van Noten. - Marta Coronado, Fumiyo Ikeda, Elizaveta Penkova, Ursula Robb, Taka Shamoto, Clinton Stringer, Cuilia Sugranyes, Johan Thelander, Rosalba Torres Guerrero, Jakub Truszkowski. Belguim のダンスカンパニー Rosas の今年の公演も、2年前の来日公演 _Drumming_ (1998) と同じく Steve Reich の音楽と Dries Van Noten の 衣装による作品だ。当然似た雰囲気に仕上がっていたけれども、動きの 多様さや、ライティングの美しさなど、_Rain_ の方が楽しめたように思う。 ちなみに、_Rain_ は、_Drumming_ ではなく、_In Real Time_ (2000) と 二部作を構成するようなのだが。_In Real Time_ は観ていない。 Rosas の舞台は、ソロのダンスの凄さよりマスゲームも連想させるような組織 だった動きが支配的なような印象がある。ダンスについていえば、超絶的な 動きを見せるというより、ダンス、バレエ的な動きと、比較的日常的な走り、 歩き、として、緊張と弛緩という脈動を見せる、という感じだろうか。 そんなわけで、二年前に観た _Drumming_ で最初に思い出すのもダンサーが 一列に並んで、舞台をスキャンするように歩いて横切る動きだ。今回も同様の 動きがあったし、回転するようにスキャンするバリエーションとかも見せていた。 しかし、今回はむしろ、舞台のあちこちで、完全にシンクロするでなく、 ずれや違いを伴いながら踊りが展開していくような感じが、とても印象に残った。 今回もう一つ印象に残ったのは、ライティング。特にギミックに凝ったことを しているわけではなく、ミニマルな感じさえあるのだが。白っぽい光とピンク がかった光との切り替え、光の角度の切り替えによって、舞台の表情を変って いく様子が奇麗だった。そんな光の色の変化に合わせて、ダンサーが衣装を 着替えてその色を変えていくというのも、面白かった。 途中で衣装を着替えてくるのが強く印象に残ったのは、比較的前の方の席に 座っていたせいかもしれないが。今回は、ダンサーの表情もよく見える席 だったので、茶目っ気を感じさせるユーモラスなシーンなども、表情込みで 楽しめたように思う。おかげで、全体として動きの構成がいまいち観づらかった ということはあるのだが。 一方、今回は、音楽の印象がほとんど残らなかった。Steve Reich の音楽むしろ 好きなくらいなのだが。光が色が変わる所は、音楽の展開が変化するような 所を使っていたし、まったく存在感が無かったわけではないが。 sources: Rosas, http://www.rosas.be/ _Rain_, http://www.rosas.be/Rosas/frames_prod_rain.html _Drumming_ (彩の国さいたま芸術劇場, 2001) レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/01060201 _Fases_ (彩の国さいたま芸術劇場, 2002) レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/02121401 2003/10/11 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/