Stalker, _Fast Ground_ 六本木ヒルズ (六本木) 2003/10/19, 13:00-13:30. 1994〜5年頃、数回、大道芸ワールドカップ in 静岡に出場していた Australia の スティルト (高足) カンパニー Stalker の東京での公演が実現した。僕は1995年に 静岡で観ているのだが、そのときの記憶と比較して、内容と微妙な差異はあったが、 大筋ではほぼ同じ内容だったと思う。8年前に観たときの感動が蘇るような、 スティルトでのダイナミックなダンス、アクロバットをからめたパフォーマンスが 堪能できた。 ドラムセット2式を用いてライヴに叩き出されるビートに乗って、鮮やかなエメラルド グリーンの布を被った男女2人がスティルトで登場。手にも杖というかバトンを持ち、 身体が大きく拡張されたようになっており、迫力は十分。その後、布を脱ぎ捨てて、 女性1人加わっての3人による、スティルトを付けたままでのアクロバット。さらに、 今度は身の丈ほどはある木の棒を手にしてのトワリングと殺陣のような舞を披露した。 彼等のパフォーマンスの見所は、スティルトや長いバトン (棒、杖) による大きさ 高さと、 スティルトを付けているとは思えないダンスやアクロバットの安定して 力強い動きだ。その動きもあって、スティルトやバトンがまさに身体の延長として 機能し、身体が拡張されているように見えるのだ。それによって産み出される 動きの迫力だけでも、一見の価値があると思う。それを実現している身体能力、 技術の高さも素晴しいのだが、単にそれをデモンストレーションするだけではない。 グリーティングや客弄り (僕が観ていたときは、客の中のおばあさんと踊った) も できるほど、表現する力も充分にある。それによって、30分間引きこまれるように 楽しめるものになっている。 そして、このダイナミックな演技を支える、力強い生演奏も欠かせない。多くの 大道芸で採用されているような、カセットテープやCDの音を拡声用のスピーカーで 流すようなやり方では、この迫力は出せないだろう。ちなみに、1995年に観た ときは、サックスがいたように記憶するのだが、今回はいなかった。 1995年との違いといえば、前に観たときは布を脱ぎ捨てた後はフラッグのトワリング だったように記憶している。緑の布を被った「虫」が「脱皮」して、フラッグの 羽根を持つ「蝶の成虫」になる、というように。このスティルト上のフラッグ トワリングがとっても綺麗だったと印象に残っているので、 それももう一度観た かったように思う。もちろん、今回の殺陣のような動きも迫力があって良かった とは思うが。 sources: 大道芸 2003年秋 写真集 (Stalker の写真も含む) http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/photoalbums/Autumn2003/index.html 2003/10/20 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕