Strange Fruit, _The Field_ 六本木ヒルズ (六本木) 2003/10/19, 13:00-13:45. 1999年、2000年と大道芸ワールドカップ in 静岡に出演した Australia の 空中芸カンパニーが六本木ヒルズに登場した。上演作品 _The Field _ は 日本初演だが、今まで静岡などで上演してきた _Swoon!_ の完全バージョン とでもいうもので、衣装や音楽もほぼ同じであった。_Swoon!_ が4人で30分 なのに対し、_The Field_ は8人で45分くらいだ。 高さ4〜5mのファイバーグラスのポールの上に体を固定して、ポールをしな らせ揺れ動きながら、踊り演じるフィジカル・シアターとでもいう作品だ。 クラウン入ったベル・エポック風の衣装の男女が、頭上で揺れ動く姿を観て いるだけでも楽しい。 しかし、彼らの面白い所は、限られたポールの揺れやポール上での上半身の 動作に、様々なニュアンスを付加していくやり方だろう。表現しているのは、 ちょっとした男女の駆引という程度のものなのだが。 下半身はほぼ固定されているし、揺らすための動きに反するような動きは ほとんど出来ない、と、ポールの上では動きは制限されている。それに、 5mの高さでからでは細かい表情は伝え辛い。むしろ、ニュアンスを作り出 しているのは、ポールの揺れだ。ゆったり揺れるような動きから、手が 届きそうな低さまで大きくポールをしならせるダイナミックな動きまで、 一方向に揺らしたり、回転するような動きを加えたり、様々な揺れ動きを 作りだしていく。その揺れを作りだす上半身の動きも、感情表現と繋がる ように工夫されている。そうして、微妙なニュアンスを作りだして行く ところが、とても面白いのだ。 観ていてちょっと残念だったのは、場所がビルに囲まれた空の狭い場所 だったこと。初見だったらあまり気にならなかったと思うけれども。 静岡の駿府公園という開けた場所での快晴の秋空を舞台にしての公演を 観たことがあるだけに、周囲の醜いビルにパフォーマーが重なってしまう のはとても惜しいと思った。 sources: Strange Fruit, http://www.strangefruit.net.au/ 大道芸 2003年秋 写真集 (Strange Fruit の写真も含む) http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/photoalbums/Autumn2003/index.html 2003/10/26 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/