Pina Bausch Tanztheater Wuppertal _Fuer die Kinder von Gestern, Heute und Morgen_ 新宿文化センター (新宿三丁目) 2003/11/16, 13:30-16:30 - Direction & Choreography: Pina Bausch. Set Design: Peter Pabst. Costume Design: Marion Cito. - Reiner Behr, Alexandre Castres, Luiz Foerster, Ditta Miranda Jasjfi, Melanie Maurin, Dominique Mercy, Pascal Merighi, Nazareth Panadero, Helena Pikon, Fabien Prioville, Jorge Puerta Armenta, Azusa Seyama, Julie Anne Stanzak, Fernando Suels. Pina Bausch を観るのは、去年日本上演された Brecht 物 _Die Sieben Tudsuenden_ に続いて2回目だが。片言の日本語の台詞も使った寸劇集のような舞台は、 ユーモラスというかちょっとお茶目さすら感じられ、笑いながら楽しんで観る ことができた舞台だった。 途中休憩の前にダンサーが砂場遊びに興じるシーンがあるのだが、このシーンの 他にも、縄跳や風船など子供の遊びの要素をそれなりに取り入れていた。これは、 タイトルからも連想させられるものであるが。しかし、観ていて楽しかったのは、 そういう子供遊びを思わせる点だけではなかった。 むしろ、僕が最も楽しんだのは、ヴォードヴィル/キャバレー芸というか大道芸と いうかそういうものに共通点を感じるコメディ的な寸劇寸ダンスを繋げている ような演出だったように思う。台詞がそれなりに用いられていたのだが、その片言 の台詞と身振は、演劇ではなく、海外からの大道芸人が演じるコミカルなやりとり のように僕には感じられた。例えば、壁や床にチョークで◯や×を描きながら、 ◯に対しては「抱きしめる」、×に対しては「キス」と言っていくシーンが あったのだけれど。このオチは「みなさん想像して下さい」だったんだけど、 大道芸的に「それでは、そこのお客さん、この通りにやって下さい」と言うん じゃないかと思わず期待してしまった程だ。ライターの火に指をかざして 我慢比べする男性2人のやりとりや、男性4人並んでの床屋のシーンとかも、 ヴォードヴィルっぽい寸劇ように感じられた。クラウン的な役割を担った女性 ダンサーもいたし、そういった所が僕のツボにハマったように思う。 展開は大きな物語があるというより、相互の関係性の薄い数分程度のコントと いうか寸劇やダンスをどんどん繰り出していくのだが、その転換の際に合わせて 音楽を変えてメリハリをつけていくので、とてもテンポよく切り替わっていく ように感じられたのも、2時間半ダレずに観られた理由のように思う。 客弄りという点では、ダンサーが客席に下りて来て、靴用のブラシで髮を梳るよう なことをしていたが。こういう演出なら、もっと弄って欲しかったようにも思う。 ダンサーだちも笑顔で楽しそうに踊っていたのが印象的で、アート的なものとして 鑑賞したという面も否定しないけど、エンタテインメントとして充分楽しんで しまったように思う。 Pina Bausch Tanztheater Wuppertal, http://www.pina-bausch.de/ 2003/11/16 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk