Jean Nouvel 東京オペラシティアートギャラリー, http://www.operacity.jp/ag/ 西新宿3-20-2 (初台), tel.03-5353-0756. 2003/11/01-2004/01/25 (月休;12/29-1/4), 12:00-20:00 (東京オペラシティアートギャラリー金土12:00-21:00). 一昨年に Centre George Pompidou, Paris で開催された建築家 Jean Nouvel の 展覧会の巡回展は、建築を写真・図版で観る際のスケール感の問題を想起させて くれるという面白さがあったが、Nouvel の建築の魅力についてはあまり伝わって きた気がしなかった、そんな展覧会だった。 最初のギャラリーでは、10cm 程度の小ささの写真がライトボックスで大量に 壁に埋めこまれているというもの。続くギャラリーからは、幅数メートル程度の 写真やCGが暗いギャラリーの中でライトで浮かびあがるといった感じのもの。 ここは、一応プロジェクトの紹介で、テキストも添えられている。最後に、 幅25m、高さも2mはあろう大規模なビデオプロジェクションがある。これには、 建築物の周囲の喧騒も効果音として添えられている。この3つを見ると、同じ ような写真を観るにしても、スケールによって受ける印象がかなり違うと いうことが実感できる。これは面白かった。予想とおり、最も大きな投影の方が、 建築物が持っている雰囲気が伝わってくるように感じた。それを観た後に、 プロジェクトの紹介をしている写真やCGを観ると、嘘っぽく感じられてしまう程だ。 しかしだ。こういう展示と Nouvel の建築の間に必然性が感じられないのだ。 展示に使われる写真や図版が Nouvel の建築を捉えた写真や案の図版でなくても、 こういう展示はとても興味深く思えたように思う。確かに、遮蔽的な壁面という ものがあまり感じられなくて、メタリックな骨組やプレートが目立つ建築物を 作る人だなぁ、という程度の印象は残ったけれども。鉄骨感がポイントの作風 の人で、この鉄骨感はスケールが大きくないと伝わらない、ということなの だろうか、とは思ったが。 建築の展覧会にありがちなのだが、プロジェクトを紹介する展示での、暗くて 文字が小さくて読むに堪えないテキストは、どうしてあるのだろう、と思う。 こういう会場デザインにおけるテキストの置き方もイデオロギーの反映で、 おそらく、観客に読ませるというのは副次的なもので、結局のところ気取った 装飾でしかない、ということの反映なのだろう、とつくづく思う。 sources: Ateliers Jean Nouvel, http://www.jeannouvel.fr/ 2003/12/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/