Johannes Itten, _Wege Zur Kunst_ ヨハネス・イッテン『造形芸術への道』 東京国立近代美術館, http://www.momat.go.jp/ 千代田区北の丸公園3-1 (竹橋), tel.03-5777-8600 2004/01/14-02/29 (月休), 10:00-17:00 (金10:00-20:00). Bauhaus 初期の指導者 Hohannes Itten の展覧会。後に Itten Schule という 美術学校も設立しており、造形芸術の指導者としての Itten という面にも 焦点を当てた展覧会だった。 今でこそ色彩学という分野も確立しているが、Munsell や Ostwald のカラー システムが登場したのが20世紀初頭 (それぞれ1905年と1918年) だったことを 考えると、彼の色彩論やそれに基づく色のコンポジション作品は、当時は斬新 だったのだろうなぁ、と思う。しかし、コンピュータのグラフィック・ソフトに それなりに馴れた身からすると、モザイク処理をかけたみたいとかそういう 第一印象を受けてしまうのも、やはり否定できない。 そういう意味では、テクスチャーを使ったコンポジションというかコラージュや モンタージュの類の方が、自分に馴染が無かったせいか新鮮に感じられた。 写真を使った物体のテクスチャー・イメージ化、そのテクスチャー・イメージの の物体化としての織物への応用など、イメージと物質を行き来するかのような 感じも興味深かった。 色彩論を思わせる色のスパイラルが付いているものの、模型復元された 『炎の塔』 (_Turm des Feuers_, 1920) など、空港に設置するモニュメント として構想されたものの実作に至らなかったという面を含めて、Vladimir Tatlin の第三インターナショナル記念塔と共通することろも感じられて、時代を感じ させられるものがあった。 日本との関係、特に自由学園との交流についてもかなり展示があったが。 さすがに、Bauhaus をクビになった理由の一つと言われることもある、 Itten がハマっていた新興宗教 Mazdaznan についてはほとんど全く触れられて いなかった (触れる必要はないとは思うが)。 2004/02/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/