『第3回東京国際フール祭』 _Fool Week 2004_ 三百人劇場 (千石) 2004/03/13, 14:00-16:00, 19:30- - シルヴプレ 『ふれあい〜touch me softly』; サンキュー手塚 『S (仮題)』; Lu^2, _Carnevale Zoppo_; Cie Baladeu'x, _Balaballes ...Musette_; BP Zoom, _BP Zoom_. フール祭はいわゆる道化芸 (フール) だけでなくジャグリングやマイム的な表現を 含めたコミカルなフィジカル・シアターのフェスティバルで、今年で三回目だ。 前から気になっていたが、今回やっと足を運ぶことができた。観たのは土曜日の マチネのオムニバスと、ソワレの BP Zoom だ。 マチネのオムニバス公演で最も楽しめたのは、ベルギー (Belguim) の男女2人組 Cie Baladeu'x の _Balaballes ...Musette_ だった。最も期待していたもの でもあったのだが。ベンチを置いてその周りでの男女の駆け引きをジャグリングや アクロバット、ダンスで描く、といえば、過去二年来日しているフランス (France) の Banc Public を思わせるが、このデュオはあまり物語を描くという感じではなく、 むしろ技を見せる所に重点を置いている感じだ。一番の見所は、バウンシング ボールのジャグリングを絡めたダンスだろうか。ボールの跳ねる音が刻むリズムも 音楽に聴こえるほど、音楽的な動きだったように思う。アコーディオンを客も交えて 演奏したりする辺りは、全体の構成からちょっと浮いていたような気もしたが。 それでも、十分に楽しめた。大道芸としても是非観てみたいように思う。 日本のパフォーマーでは大道芸でお馴染みの サンキュー手塚 が楽しめた。 2つの作品を上演したが、一つは「ロボットフェア2004」に展示されている ロボットを展示を観にきた客の声 (効果音として流す) に合せて演じるというもの。 ロボットを演じるマイムというのはよくあるのが、ロボットの提供する機能 (特にマナーモード) がナンセンスで笑える作品だった。続く、引越の荷造りを ネタにした捨てる物に対する思い出を表現した作品は、前半のコミカルな展開から 後半の感傷的な展開の切り替えなど、よく構成されていたと思う。しかし、 効果音に負うところが多く、身体の動きとしてそれほど楽しめなかったのが 少々残念だった。 ソワレの BP Zoom はフランス (France) 出身の男性2人組で、牛乳瓶の底のような 黒縁眼鏡をかけた小柄な紳士風の身なりの男と、ちょっと朴訥な印象を受ける 労働者風の身なりをした大柄な男による、ドタバタの無言コメディをやった。 ナンセンスというかシュールな状況を作りだしていくわけだけれど、斬新というより ありがちなネタを、細かいところまで考えられた動きでキャラクターを描いていく という印象を受けた。大柄の方が、M. Hulot (Jacques Tati) 風の振舞をする John Cleese (Monty Python の最も大柄の俳優) という感じ (誉め過ぎか) の 他にもありそうで無いキャラクターだったのが、とてもツボにはまってしまった。 sources: 『第3回東京国際フール祭』, http://www3.alpha-net.ne.jp/users/accircus/news/fool%20festival%202004.htm サンキュー手塚, http://www1.odn.ne.jp/thankyo/ 2004/03/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/