楢橋 朝子 『Half Awake And Half Asleep In The Water』 BankART 1929 馬車道 馬車道ホール 金庫室, http://www.bankart1929.com/ 横浜市中区本町4-44 (馬車道), tel/fax.045-663-4677. 2004/3/6-4/4, 11:00-22:00. 杉本 博司 の『海風』シリーズや 畠山 直哉 『川』シリーズのように、 画面をほぼ水平二等分して、画面の下半分が水面、上半分が空もしくは風景 という写真作品は、最近はそれだけで一ジャンルを形作りつつあるように思う。 この 楢橋 朝子 の写真作品を見たときに連想したのも、そういった作品だ。 画面の下側のおおよそ半分が水面で (作品によっては一部は水中) 覆われて いるからだ。しかし、それは安定した幾何的構図をとっていない。むしろ、 水面は波打ち揺れ膨れあがるようにカメラに迫るかのように写っている。 遠方に見える岸辺の風景からなる上半分の静的な画面と、その上半分を飲み 込むかのように波打ち膨れあがる真近の水面からなる下半分の動的な画面の コントラストがとても面白い。 作家のコメントからは水中に入って撮影している場合もあるようだが、 船上からカメラを水面近くに下ろして撮影しているものもあるように思う。 思えばあまりこういう視点からの写真作品は無かったように思う。しかし、 僕がこの作品を気に入ったのは、その結果の画面構成の面白さがあると いうところだ。 Sources: 楢橋 朝子, http://www1.ttcn.ne.jp/~fotos03/ 2004/4/3 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/