鯨津 朝子 『Out of space ― 続いてゆく線』 横浜赤レンガ倉庫, http://www.yokohama-akarenga.jp/ 横浜市中区新港1-1-1 (馬車道), tel.045-211-1515. 2004/3/10-4/4, 10:00-22:00. ある視点から見るとある図形、絵が浮かびあがるようにパブリックな空間の 壁面などに描くというインスタレーションは、George Rousse など、比較的 よくあるものだ。 鯨津 朝子 の空間インスタレーションもその類の作品で、ある視点からみると 一つに繋がる線を断片を空間の壁面、ガラス面とかに描き込むものだ。しかし、 彼女の作品の面白さは、複数の視点に対応する線が入りまわるかのように 配置されているということだ。その結果、一点を見つけてじっと見るというより、 動的に視点を動かしながら線を追うような観方となる。それが、静的ではなく 部屋を回る「旋風」のように動的に見えてくる一因になっていると思う。 そして、僕が好きなのは、その点だ。今回もそれが楽しめた。 しかし、今までも斎藤記念川口現代美術館や銀座の巷房などで見てきたが、 今まで観た中で横浜赤レンガ倉庫の作品が良かったかというとそうでもない。 白っぽくて単調な色の方が映えるのだが、赤レンガ倉庫のエントランスホール の空間は色・線的にノイズが多くて線が目立ち辛かったようにも思う。 週末の人込みもあって、通過する人が多くてゆっくり線を追う余裕が無かった ということもあるように思うが。 Sources: 鯨津 朝子, http://www.artandcritic.net/tokitsu/ 2004/4/3 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/