9月24、25日の山口・福岡遠征で観たものから、興味深かったものを。 藤幡 正樹 『モレルのパノラマ』 山口情報芸術センター スタジオB, http://www.ycam.jp/ 山口市中園町7-7, tel.083-901-2222. 2004/09/18-10/24 (火休), 10:00-22:00. パノラマカメラを使って撮影した映像をリアルタイムで加工してギャラリーの壁に 投影するインスタレーションだ。視線の無いパノラマ映像、というコンセプトは 判らないではないし、自分の姿が映像の中に映り込んでいるのを観るのも面白い。 しかし、パノラマを俯瞰するような映像の平面への投影ということもあって、 映像体験から実感するというより観念的図式の提示に感じられたのは残念だった。 パノラマになるように投影した方が面白かったようにも思うのだが。 作品のタイトルを取った南米の現代小説家アドルフォ・ビオイ=カサーレス 『モレルの発明』 のテキストの朗読がギャラリーに流れていて、藤幡 正樹 本人が 映像の中に出て来たりするのも、観念的な雰囲気を助長していたように思う。 _ _ _ 實松 亮 『Po-poMO』 Art Space Tetra, http://www.as-tetra.info/JAPAN/index-j.html 福岡市博多区須崎町2-15 2004/09/11-09/26 (月休), 18:30-22:30. ビデオプロジェクションと壁でくるくる回るオブジェの組み合わせという 『Forgotton Elements』 (OFF SITE, 2003/5-6) のバリエーションといえるもの。 『Forgotton Elements』で投影されていた抽象的な映像よりも、『Po-poMO』で 投影された空や街や目のようなドローイングの方が、壁のオブジェとマッチして いて良くなったように感じられた。 ギャラリーの入口のガラスの引き戸に障子紙を貼って半透過のスクリーンにして、 中からだけでなく外から映像が観られるようにしていた。これが、少し暗くなった 夜の街中から微妙に浮いていてカッコよかった。 逆に繁華街中だと街頭大型 スクリーンのようになってしまってダメだったかもしれないが。 sources: 實松 亮, http://www.bx.misty.ne.jp/~sane/ 『Forgotton Elements』レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/03061401 _ _ _ 乃美 希久子 『空き家』 福岡県立美術館 1階展示室, http://fpmahs1.fpart-unet.ocn.ne.jp/ 福岡市中央区天神5丁目2-1, tel.092-715-3551 2004/09/12-10/21 (月休), 10:00-18:00 人が入ることが出来る大きさの小屋状のものが展示室に設置され、そこに入って 鑑賞するインスタレーションだ。天井からは柄の毛布で作られた抱き枕状のものが ぶら下がっており、筵敷の床の下はふわふわだ。 ふわふわな畳とでもいうような感覚は面白いと思ったけれども、小屋全体の いかにも女性作家な情念系〜箱庭系インスタレーションな外観は、ちょっと引く 所もあった。 2004/2004/09/27-30;10/04 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕