大巻 伸嗣 『ECHOES -INFINITY-』 SHISEIDO GALLERY, http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/ 2005/8/23-9/25 (月休), 11:00-19:00 (日祝11:00-18:00) 大巻 伸嗣 『Crystallization』 東京画廊, http://www.tokyo-gallery.com/ 2005/8/22-9/9 (日祝休), 11:00-19:00 (土11:00-17:00) SHISEIDO GALLERY が若手作家を個展で紹介シリーズを始めたのだが、その第二弾に 取りあげられたのが 大巻 伸嗣。初めて観た作家だった。 フェルト状の白い床材を敷き詰め、その上に鮮やかな色の粉末顔料でせいぜい 径15cmくらいの花の模様を一杯に描いたインスタレーションだ。その上を観客が 歩くので、花の模様は踏まれ、擦れてぼやけ、色が交じり濁った色の汚れのように なって消えていく。 会場を見渡すと、観客が歩くルートが濁った色の流れのようになって、さながら 花畑の中にできたけもの道のよう。そういう観客の動きを映し出すような所が、 このインスタレーションが面白く感じられた所だ。 ちなみに、会期を合わせて 東京画廊 でも個展を開催している。SHISEIDO GALLERY で興味を惹かれてこちらへも行ってみたのだが、こちらでの作風はミラーのような 金属板に穴をあけたものや、アクリルのキューブ状の作品もあり、ポートフォリオ を見ても作風は分裂気味のようだl。 SHISEIDO GALLERY のような作品の原点は2002年の東京ワンダーサイトでの インスタレーションのようだ。また、SHISEIDO GALLERY に似た作品としては、 白いアクリルの大判タイルを並べた上に白い顔料で花を描いたものがあった。 こちらは、壁にかけられており、顔料は一応定着させてあるようで、時間経過や 風化とかを狙ったものではなさそうであった。 2005/08/28 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html