Cie Etokan _Buran Cirque 36 Masts in Palc / Yokohama_ 山下埠頭 横浜トリエンナーレ入場口サーカス会場 (元町・中華街) 2005/10/01, 18:30-19:00 - Travail nomade: Daniel Buren. Direction: Dan Demuynck. 横浜トリエンナーレ2005関連イベントとして開催されたサーカス・カンパニー Cie Etokan とアーティスト Daniel Buren が共働したサーカス公演を観てきた。 舞台装置がいかにも Buren という面白さはあったが、サーカス公演としては 少々物足りなかった。 Buren は規格化された縞模様を壁や窓へペイントしたり旗などを設置したりして 公的な空間に展開するインスタレーションで知られるアーティストだ。 サーカスの舞台美術の、天を高く覆う赤白縞の小旗や、ピストを隠す白黒縞の 幕といい、半ば視界を遮るようにピストの回りに立てられた板といい、 いかにも Buren というものだ。 視界の遮り方など、Daniel Buren, _Transparence De La Lumiere Travaux In Situ_ (水戸芸術館, 1996) でのギャラリーを使った迷路状のインスタレーション 「投影−送風:回廊」を思いだしもした。そのインスタレーションで投影され ていた映像をサーカスのパフォーマンスに置き換えたのが、この作品と言える かもしれない。そういう面白さはあった。 しかし、そのような Buren の舞台美術がサーカスのパフォーマンスと巧く 絡んでいたかというと微妙だ。天の小旗のさらに上を綱渡りするパフォーマンス にしても、縦縞のケージの中で行われたティッシュの空中芸にしても、 パフォーマンスを観辛くし、その芸の見た目の迫力を削いでしまっていた ように感じた。 パフォーマンスは、ティッシュやトラペーズの空中芸、ボール・マニピュレーション、 柔らかく不安定なテーブルを使ったアクロバットなどを、合間にクラウンを入れて 場を繋いだり、物語的な演出も使わず、淡々と見せるというものだった。 メリハリに欠けて少々退屈に感じられるときもあった。 上演時間が30分と短かかったのだが、通常の演出は無しにして顔見せの演技をする 短縮バージョンだったのか、あえて物語的な演出やクラウンによる場繋ぎを排して いたのかは不明だ。 ただ、淡々とやるなら、音楽をもっと工夫すれば良いのにと思った。録音を使い 音量も小さめということもあり、ほとんど音楽はほとんど印象に残らなかった。 音楽がライブであればまた印象も違ったのかもしれないが。そういう点も残念だった。 sources: Daniel Buren, http://www.danielburen.com/ 横浜トリエンナーレ2005, http://www.yokohama2005.jp/ 2005/10/02 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/