『フランス現代美術週間: フランス大使公邸一般公開と特別展示』 _Semaine de l'Art Contemporain Francais: Exposition a la Residence de France_ 在日フランス大使公邸, http://www.ambafrance-jp.org/ 港区南麻布4-11-44 (広尾), 03-5420-8800 2005/11/22-27. 14:30-16:00. - Jean-Charles Blais, Jean-Francois Brun, Roland Flexner, Annette Messager, Philippe Rerrot, Jeanne Susplugas, Hugues Reip. 都内各所のギャラリーを使ってフランスの現代美術を紹介するイベントに連動して、 在日フランス大使公邸の一般公開が行われた。展示が行われて公開されていたのは、 公邸入ってすぐの応接間というか大ホールだけだった。モダニズムの洋館ではなく もっとコンテンポラリな建物だったが、そんな奇抜な建物ではなく、普通に落ち 着いた大邸宅だった。そんな建物に対し、南面下りの庭がいかにも江戸時代の 武家屋敷の庭を引き継いだもの、という感じだったのが、面白かった。 現代美術作品の展示も行われていたわけだが、特に既成の大量生産品や印刷物に 手を加えた作品は、広く落ち着いた装飾のある空間の中ではキッチュさが際立つ。 それも、空間を異化するというよりも、かなり影が薄く感じられてしまった。 玄関ホールの Jean-Charles Blais による螺旋状にループした白い曲線がうごめく ビデオプロジェクションや、Jean-Francois Brun の写真作品など、気になる作品も あったが。 『フランス現代美術週間』関連の展覧会のいくつかについても、軽くコメント。 Jean-Charles Blais, _Empty Words_ ケンジタキギャラリー, http://www2.odn.ne.jp/kenjitaki/ 新宿区西新宿3-18-2-102 (初台), tel.03-3378-6051. 2005/11/19-12/24 (日月祝休), 12:00-19:00. 大使公邸ではレセプションホールで展示されていた、ポスター裏を使って壊れた キャンバスのような箱を作って絵を書いたような使ったチープさも感じる1980年代の 作品が中心の展示だったが、1点だけ、最近のビデオプロジェクションを使った 作品があった。複数のうごめく球体のすき間から洩れる白い光のような単純な プロジェクションだったが、大使公邸玄関ホールのプロジェクション同様の テイストで悪くは無かった。最近のビデオプロジェクション作品だけ、ちゃんと まとめて観てみたいようにも思う。 Roland Flexner ギャラリー五辻, 台東区千駄木1-22-30ヒルハウス201, tel.03-5685-4786. 2005/11/22-12/22 (日月祝休), 11:00-18:00 (土11:00-17:00). マーブリングというか、日本の墨と胡麻油を使った墨流しの技法を使った作品だ。 モノトーンだが和風な感じは受けず、模様の仕上がりは、紙を引き上げた際に できる模様の乱れの使い方など、Gerhard Richter の抽象画に近いように感じた。 また、墨のシャボン玉を紙の上に作り、破裂させたり、そのまま定着させたりした 作品もあった。こちらの方が不思議な造形と痕跡から感じられる儚さもあって、 面白かった。 2005/12/24 (2005/11/26,2005/12/11,2005/12/17) 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html