『アートと話す アートを話す: バウハウスからコンテンポラリー: ダイムラー・クライスラー・アート・コレクション』 _Conversation With Art, On Art: Bauhaus to Contemporary Art: From The DaimlerChrysler Art Collection_ 東京オペラシティ アートギャラリー 2006/1/14-3/26 (月休;2/20開), 11:00-19:00(金土11:00-20:00) 自動車メーカ多国籍企業の DaimlerChrysler によるコレクションに基づく展覧会だ。 美術教育を意識した企画だったが、会場で貸し出していた「展覧会オリジナル ワークブック」が欲しいとは思わなかったし、ワークブックを借りたものの そのテーマに沿って観たわけでもないが、それでも充分に楽しめた展覧会だった。 全4部構成の第2部が、1957-66年にデュッセルドルフ (Duesseldorf, Nordrhein- Westfalen, DE) で活動したアーティストのグループ Group Zero に充てられていた。 これも、さすがドイツの企業ダイムラーのコレクションだろうか。Group Zero と いえば optic / kinetic art というイメージがあるが、光るものはあったが 動くものが少かったのが少々残念。とはいえ、この展覧会の展示で最も楽しめた のが、このコーナーだった。 最後の第4部は作品数の半分を占め、「アートと社会」と題され社会的な題材の 作品が集められてた。それも、自動車を題材にした作品が多く、さすが、自動車 メーカの企業コレクション、と思った。特に、Andy Warhol や Robert Longo が DaimlerChrysler の自動車を描いた作品は、企業活動に対する批判性がほとんど 感じられず、いかにも企業コレクションらしいと思った。 しかし、自動車の持つ社会的なイメージ (ブランド、メディア等) を批判的に題材 として取り上げた Sylvie Fleury の一連の作品のようなのもあるのは、企業 コレクションとしてなかなか頑張っているな、と思った。 第4部は玉石混交だとは思ったが、それなりに気に入った作品もあった。特に、 黒のスチール棚に鮮やかな赤青黄のファイルや工具箱等を並べ Piet Mondrian の 作品のように構成した Mathieu Mercier の _Drum'n'Bass_ (2002) が気に入った。 雑誌のアシカの写真を同じサイズで写真に撮って並べた Cor Dera, _Untitled_ (1995) も好みだったが、1980年代の Simulationism の縮小再生産かなとも 思ったりもした。 sources: 東京オペラシティ アートギャラリー, http://www.operacity.jp/ag/ 2006/03/18 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html