テアトル・ガラシ × ク・ナウカ・シアターカンパニー (Teater Garasi / Ku Na'uka Theatre Company) 『ムネモシュネの贈り物』 (_Mnemosyne_) ザ・スズナリ 2006/06/13, 19:00-20:30 - Directed by Yudi Ahmad Tajudin. Written by Yudi Ahmad Tajudin, 宮城 聰, Mohamad Ugoran Prasad, 大西 彩香. - Actors: 美加理, 野原 有未, 本多 麻紀, 大内 米治, 大道無門 優也, 石川 正義; 横須賀 智美 (流山児★事務所); Bernadeta Verry Handayani, Citra Pratiwi, Jamaluddin Latif, Sri Qadariatin, Theodorus Christanto, Mohamad Ugoran Prasad. インドネシアはジョグジャカルタ (Yogyakarta, Indonesia) を拠点に活動する 劇団 ガラシ と、宮城 聰 率いる劇団 ク・ナウカ による共同製作の舞台作品。 全体を通したストーリーは無く、セリフはあるけれども身体表現が中心、という点で、 「記憶」と「コンタクト (接触)」をテーマにした断章が織りなすフィジカル・シアター といったところ。 ミニマルな舞台美術や音楽や照明・映像を使い方などは欧米や日本のカンパーニーと 比較しても普通に洗練されているけれども、個性的と感じることはなかった。 しかし、俳優の動きがバレエ、ダンスやマイムなどの欧米的な動きとはかなり違う もので、それが面白く感じられた。動物的というか鳥をイメージしたものが多かった ように思うが、鳥と言うほど軽快ではなく、床に近い位置で蠕く感じは、爬虫類的な ぬめっとした印象を受けることも多かった。 ク・ナウカといえばムーヴァー (mover, 動き手) とスピーカー (speaker, 語り手) の 二人一役という手法で知られるわけだが、それを思わせたのは、プラトン 『パイドロス』 (Plato, _Phaedrus_) から引用された冒頭の古代エジプト (Egypt) の 文字の神 テウト (Djehuty/Thoth) と王タモス (Thamos) の対話シーン程度だった。 古代ギリシャの神ムネモシュネ (美加理がその役だったのだろうか) がタイトルに あるので、このまま東地中海の古代神話世界を枠組に使って展開するのだろうかと 冒頭シーンから予想したが、特にそういうことも無く、エンディングなどはむしろ アジア的なキッチュさを感じた。 バレエやマイムとは違う出自ながら同時代性も感じる身体表現が楽しめた舞台だった。 sources: テアトル・ガラシ (Teatre Garasi), http://www.teatergarasi.org/ ク・ナウカ・シアターカンパニー (Ku Na'uka Theatre Company), http://www.kunauka.or.jp/ 『ムネモシュネの贈り物』 (Mnemosyne), http://www.kunauka.or.jp/jp/waktobatu0604/mnemo01.htm ザ・スズナリ, http://www.honda-geki.com/suzunari.html 2006/06/14 (2006/06/13) 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html