Troubleyn / Jan Fabre _Quando L'Uomo Principale E Una Donna_ 彩の国さいたま芸術劇場 2006/07/01, 16:00-17:00 - Direction, Screengraph, Choreography: Jan Fabre. Created on 2004 with Lisbeth Gruwez. Dancer: Sung-im Her. Music: Marrten Van Cauwenberghe. Additional music: Domenico Modugno, "Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare)". ベルギー (Belgium) 出身の現代美術作家/演出家 Jan Fabre が手掛けた女性ソロの 舞台作品を観て来た。初演時のダンサーは Lisbeth Gruwez だったが、2006年4月から ダンサーは Sung-im Her になっている。 明確な区切りがあるわけではないが、ほぼ3部構成で。最初はパンツスーツ姿で、 オリーブオイルの瓶を何本も天井から下がった紐にぶらさげ、少しずつオイルが 滴る下をタバコをふかしながら。続いて、上半身裸となり、歌 "Volare" にのり ながら簡単なジャグリングやクロースマジックという感じでユーモラスに金属球 を弄ぶ。で、吊るした瓶の蓋を全開にし床いちめんオイルだらけにした上で、 全裸になってころげ回るようにして踊る。これらのシーンを繋ぐのは、舞台前方 下手にカクテルバー的なコーナーで、マーティニを煽るといったことだった。 中盤のジャグリングやクロースマジックまでは、特に個性的という感じでもない 普通のダンスシアターかな、と感じた。しかし、最後の、オイルの中で飛沫を あげながらころげ回るように終るシーンになって、さすが Fabre と思った。 動きが凄いというより、オイルの飛沫や、オイルで光るダンサーの体の質感で 見せるところだ。以前に観た Fabre のアイデアを映像化した作品 _Les Guerriers de la Beaute_ でも、粉やどろどろとした物と戯れるダンサーが出てきていたが、 それに繋がる表現だろう。 _Les Guerriers de la Beaute_ では、そのどろっとした質感に Matthew Berney の _Cremaster_ を連想させられたが、今回は、睾丸と見立てた金属球を弄ぶような 中盤のシーンがかなり _Cremaster_ と被るように感じられた。質感へのこだわり だけでなく、テーマの選び方においても、Berney と被る所の多いと感じられた、 そんな舞台だった。 sources: Troubleyn / Jan Fabre, http://www.troubleyn.be/ 彩の国さいたま芸術劇場, http://www.saf.or.jp/ 映像作品 _Les Guerriers de la Beaute_ レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/03050501 2006/07/02 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html