Corpus, _A Flock Of Flyers_ カナダ大使館 2006/08/07, 18:00-19:30 - Creation: Sylvie Bouchard, David Danzon. - Performers: David Danzon, Keiko Ninomiya, Jenn Helland, Michael Caldwel, Edward Mitchell. Corpus はカナダはオンタリオ州トロント (Tronto, Ontario, CA) のカンパニーで、 上演作品は、軍事教練をネタにした、コミカルなフィジカルシアターといった内容だった。 コメディのネタとしては軍事教練というのはスタンダードな感もあるけれども、ビチッとした 黒い服装と帽子という服装、それになにより、戦闘機が無い航空隊という不条理な (馬鹿げた) 設定が冴えていた。コミカルだし、客弄りもするし、軍事教錬的な大きなかけ声や変な衣装も 目を惹くし、大掛かりな装置は不要、と大道芸にうってつけの作品だ。 軍事教練ネタのコメディでは、道化役的な登場人物の変で不規則な動きが、シリアスで整然と した軍事教練の動きを互いに異化させ笑いを誘うというパターンが多い。しかし、この作品では、 もともと設定自体が馬鹿げているだけに、既に教練の動き自体がかなり変なものになっている。 とはいえ、パフォーマーの動きはトレーニングされたシャープな動きだ。そして、そこに そのような動きができない観客を加えることにより、互いを異化し、さらに笑いを誘っていた。 アフタートークで、カンパニー創設メンバーの Danzon が Charlie Chaplin や Marx Brothers からの影響を挙げていたが、こういう軍事教練ネタは Buster Keaton っぽいと いう印象も受けた。 _A Flock Of Flyers_ 上演の前に、ビデオダンスというか短編映像作品 _Peep Show_ が 上映された。黒い織製の面ファスナー (ベルクロ (Velcro) は登録商標) で全身を被うような コスチュームの男女2人が、お互いに貼り付いたり剥したりしするような動きをするという パフォーマンスを捉えた映像だ。ダンスというよりも組手のような動き、面ファスナーが 剥がれるたびにチャッチャッとする音、そして、それを老年カップルが覗き部屋から観ている というシュールな設定も面白い作品だった。 アフターパフォーマンストークでビデオで紹介された作品は、まず、_Les Moutons_。これは、 野外で観客と交じりあった状況で行うハプニング・パフォーマンスのようでした。続いて紹介 された _Nuit Blanche_ は舞台作品。演劇 - ダンス という幅だけではなく、コメディ的な 大道芸、ハプニング、舞台作品にビデオダンスとその上演形態もいろいろで、かなり引出しの 多そうなカンパニーという印象を受けた。他の作品 (特に _Nuit Blanche_) もちゃんと 観てみたいように思った。 sources: Corpus, http://corpus.ca/ カナダ大使館, http://www.canadanet.or.jp/offices/tokyo_page.shtml Corpus パフォーマンス & プレゼンテーション 告知, http://dance-media.com/corpus/index.htm 2006/08/08 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html