梅雨の合間の晴れ間は自転車を駆って画廊めぐりだ。というわけで、土曜日は中央線 沿線に向かったTFJです。環七を走ったら猛烈な混雑で苦しったが。これといった あては無かったのでとりあえず、阿佐ヶ谷の西瓜糖に行って、遅いランチでも食べ ながら、置いてある"美術手帳"や"ギャラリー"を読んで展開でも決めようか、と。 展示の服のようで服でないような作品はどうでも良かったが、店に置いてあった 葉書を見て、VA nishiogiに向かうことにした。 VA nishiogiは西荻窪駅南口の商店街のちょっと外れにある地階にあるギャラリー。 1年ほど前にシンガポールの作家 Lee Wenのパフォーマンスを観に行って以来だ。 鈴木 貴彦 展 - サウンドエフェクトによる共演 - Christophe Charles VA nishiogi, 杉並区西荻南3-7-6 (西荻窪駅南口) 96/6/14-30, 14:00-19:00, 月休 鈴木 貴彦という作家は初見だが、日本・オランダ現代美術交流展 1995-1996 の 最終日6/22に旧赤坂小学校の屋上で「パフォーマンス」をやっていたChristophe Charlesとの共演ということで興味を持った。 16時頃にVA nishiogiの前に着いて自転車を止めていたら、作家さん(らしき人)が 看板を持って階段を上がってきて、入口の前に置いていった。その後を追うように 僕もギャラリーに下りていった。 インスタレーション作品。遮光した部屋の壁に4本柱が立っている。柱壁床天井には 蛍光塗料が不均一に塗られており、壁にすえつけられた何本かの蛍光ランプによって 輝いている。しばらく経つと、蛍光ランプが消え、真っ暗になった。柱の根元と 天井に接する所に、微かな蛍光が丸く見える。他にも僅かに蛍光を残している所も あったが、柱の所在も明るいうちに入らないとわからないと思われるほどの暗さだ。 サウンドエフェクトの方はといえば、旧赤坂小学校でのパフォーマンスと同じ音源を 使っていた。当初、単にランダムに音を出しているのかと思ったが、歩き回るうちに 自分の動きと連動しているような気がしたので、立ち止まったら案の定音が止まった。 そのまま上半身を動かしても音は鳴りださない。片足を上げても反応は無かったが、 その足を床に下ろしたら音が鳴った。ということで、床に仕掛けがあるようだ。 部屋を出たら、作家さんに冷たいお茶を勧められたので、それを飲みながら二時間 近く談笑してしまった。 旧赤坂小学校のChristophe Charlesのパフォーマンスの話も交えながら、まずは サウンドエフェクトの話から。この作品の仕掛けは、床にコンタクトマイクを数個 仕込んでそれが拾った音・振動をトリガにMacinosh制御の様々な音を出す、という もの。このシステムがよくフリーズしてしまうそうで、客が作品に入って行くと 耳を澄まして音が鳴っているか確かめ、鳴っていない時は慌てて裏のMacをリセット しに行かなくてはならない、と嘆いていた。 こういうインスタレーションでは、センサ周りの調整とか難しいですよね、と、 去年の水戸芸のJames Turrel展の"Soft Cell"の話をしたら、鈴木さんも観に行った とのこと。ただ、混雑していたので"Gas Works"しか体験できなかったとのこと。 さらに、最近観に行った展覧会の話になって、いろいろ話していたら、凄い数観に 行ってますね、と言われてしまった。ちょうど、養老天命反転地のTシャツを着て いたのだけど、そういう大掛かりなこともやってみたい、と言っていた。 他にもいろいろ話していたら、あっというまに18時前。他の客も来はじめたので、 ギャラリーを出た。課題になっている東京女子大〜善福寺公園界隈の散策を思い 出したので、北口から女子大通り商店街を一瞬北上してみたのだが、時間が遅かった ので、途中で西に折れて吉祥寺に出た。しかし、ギャラリーαMは閉館の18時に 間に合わなかった。双ギャラリーもいまいち。というわけで、久々に吉祥寺音盤店 巡りをしたが、これといった収穫もなく、帰途についたのであった。 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕