久々に佐賀町に行った日曜日のTFJです。佐賀町は永代橋東詰すぐ路地に入った所に、 食糧ビルというかなり古ぼけたビルがある。そこに画廊がいくつか入っている。 前から行こうと思っていたのだが、いつのまにか会期末が迫っていたこれ。 SOSIE Sagacho Exhibit Space, 江東区佐賀1-8-13食糧ビル3F (門前仲町) 96/5/27-7/21, 11:00-18:00, 月休, 500円 - Sylvie Fleury, Marie-Auge Guilleminot, Fariba Hajamadi, Zoe Leonard, Kerri Scharlin, オノデラユキ (Yuki Onodera), 白井 美穂 (Miho Shirai) 7人の女性作家による、「見られる性」としての女性をテーマとした展覧会。題の ソズィ (sosie)というのは、19世紀半ばのファッションモデルを意味する言葉という。 「見られる性」としての歴史なら、別に美術展でなくても、数多の女性学者や社会 学者の著書で検証されてきていることなのだが。 というわけで、もっとはっとさせてくれるような形で、日常生活における性と暴力と 経済の社会機構を提示して欲しいと思う。この展覧会では、対象としている日常と いうものが見え辛いせいか、概して教条的な女性学の本をなぞるようで、観ていて 何かもっと語りたくなるというより気が滅入ってしまった。So, I was mistaken.. Tell me how do I feel?という気分..。うううむ。 そんな中で、山につまれたビデオモニターにレオタードに身を包んだ女性が踊り まくるフィットネスのインストラクションヴィデオを映し続けているSylvie Fleury "Claudia, Cindy, Elle and The Firm" (1996)は、狂騒的でグロテスクな仕上がりが 笑えてとても良かった。ファッションショーの花道が、画廊の二つの部屋をつなぐ ように置かれているのだが、その背景の"Egoiste"というwall paintingと併せて やはり彼女の作品 "Egoiste + Run Way" (1996)。これもいいね。一緒に行った 友人たちとファッションショーごっこをすると面白いだろう。僕はといえば、 朝一番で他に客もいなかったので、ぼーっと"Claudia, Cindy...."を観ていたが。 12時過ぎに、続いて階下の小山登美夫ギャラリーへ行ったら、土日は13時オープン という。しかたないので、隅田川の堤防に出て軽くサイクリング。13時頃に戻ったら、 オーナーさんが扉の前で茫然としている。なんでも、鍵を忘れたらしい。あと一時間は 開かないと言われたので、お茶の水に出て昼食を食べ、レコード店巡り。おもわず、 gabbaコーナーに行ってしまった。話は飛ぶが、そういえば、どうして渋谷Liverpool では「ガヴァ」なのだろう..。閑話休題、というわけで、15時過ぎに佐賀町に戻った。 Anish Kapoor - Five Pieces into the Wall 小山登美夫ギャラリー, 江東区佐賀1-8-13食糧ビル2F (門前仲町) 96/6/25-7/14, 11:00-18:00 (土日13:00-18:00), 月祝休 在英インド人Anish Kapoorといえば、ファーレ立川にある赤錆の山よりも、噂に聞く 「地獄の辺土に降りる」という作品をまず思い出す。ぜひ一度観てみたいのだが。 ここでは、壁に穴をあけて彩色してある。ピグメントによる彩色はちょっと変わった 質感があるが、浅くて広い穴なので、奥行き感を喪失するようなことはない。 いまいち面白くなかった。 画廊のオーナーさんに「地獄の辺土に降りる」の話をしたら、日本の美術館であれを 展示できる所は無いのでは、と言っていた。 会期は14日までということになっているが、21日頃まで展示しているとのことだった ので、Sagacho Exhibit Placeのついでに寄るとよいだろう。 その後、まだ時間が早かったが、暑くてばててきてしまったので、大森で買物をして 帰ることにした。ふう。 96/7/14 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕