9月1日は映画が1,000円で見られる日ということで、朝一番に勇んで六本木シネ・ ヴィヴァンに行ったら、土日祝のモーニング・ショーはRohmerじゃなくがっくり きたTFJです。Jonas Mecasを観たい気分でなかったので、1時間余りカフェで時間を 潰していた。で、どのみち、続けて観るつもりだったこれ。 ・ ・ ・ 「夏物語」 (シネセゾン, '96) "Contes Des Quatre Saisons - Conte D'Ete" - France, 1996, colour, 1h54m - Directed by Eric Rohmer, Produced by La Sept Cinema / Les Films du Losange - Melvil Poupaud (Gaspard), Amanda Langlet (Margot), Gwenaelle Simon (Solene), Aurelia Nolin (Lena), etc Gaspardのダメさが良い。というわけで、ダメ男研究家 (なんているのか?) は必見。 比較的紋切型なラブ・コメディというかシチュエイション・コメディなのだが、 このダメ男Gaspardとそのちょっと皮肉めいた描き方が救っている。皮肉が辛辣さ まで行かないところが、良くも悪くも映画に入り込みやすくしているか。 今まで女友達もろくにいなかったGaspardが、Bretagneの保養地で、三人の女性に ふりまわされる−のかふりまわしてしまうのか−、といった設定なのだが。 登場人物の恋愛心理描写(なんてしているのか?)というよりもっと表面的な状況 設定から生まれる台詞も気が利いて、実に笑える。 夏のBretagneを舞台にした画面も爽やかに、けど皮肉も利いた分だけちょっと 苦々しく、笑える映画。夏の気分−あればだが−が醒める前に軽い気持ちで観に 行こう。ダメ男映画にはどうしても評価が甘くなってしまう気もするが、お勧め。 ・ ・ ・ しかし、「六つの本心の話」を読んでいて何か物足りないと思ったのは、主人公の 男性のダメさ加減なのだな。そういう意味では、「シュザンヌの生き方 "La Carriere De Suzanne"」の終わりの、「その学年はもう終わっていた。ぼくは試験に落第すると 同時にソフィーを失おうとしていた。一方、シュザンヌは幸福だった。」みたいな 節はとても気にいっているのだが。 で、「モンソーのパン屋の女の子 "La Boulangere De Monceau"」と「シュザンヌの 生き方 "La Carriere De Suzanne"」の、モーニングショーが平日だけというのは、 ちょっと厳しすぎるぅ。あまり観る機会なさそうな作品だし、これは、勢いがある うちに午前半休取って観に行くしかないか。うーむ。 96/9/1 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕