JAISTの食堂で食事に挑戦してみて−何が悲しくて金沢に行ってJAISTで夕食を 食べなくてはならないのか? という問題はとりあえずおいておいて−、改めて 自分の職場の食堂の悲惨さを思い知らされたTFJです(号泣)。「隣の芝は青い」 効果を補正しても、100点満点で職場30点JAIST50点くらい。ううう。という わけで、出張で金沢へ行ってきた。遊び相手になってくれたJAISTのみなさん、 特に車を出してくれたうえ泊てくれた岩間さん、ありがとう。 仕事から解放された18日金曜の午後を使って、岩間さんと巡ってきた所を。 ・ ・ ・ 九谷焼に加賀友禅、金沢箔に和菓子。輪島塗は石川県内とはいえちょっと違うが。 伝統工芸の町、金沢に現代美術シーンというものはあるのか? しかし、事前の 情報といえば「金沢市民芸術村が最近できた」というものだけ。 これといったあてがないので、尾山神社前で待ち合わせて、「尾山神社の前に ある怪しい喫茶店」として噂になっていたここに行った。 めるつばう (MERZ BAU) (喫茶店) 金沢市尾山1-25, 0762-62-8818 (金沢市,尾山神社前) 「怪しい」という噂と、Merzbau (Hanover DadaのKurt Schwittersが1930-40sに 制作した奇怪な建築物の名前) という名前から、きっとMerzbauのような建物か と思っていたが、意外に小奇麗な白い3階建の1階がそれだった。平凡な喫茶店の ようであり、期待外れかと思ったが、入ってみた。 小奇麗な店内には他に客がいない。壁やカウンターのあたりに、既に終わって いたものも多かったが、北陸界隈の現代美術の展覧会のポスターやフライヤが 貼ってあり、レジ脇にはフライヤが積んであった。Humpe Humpe (Conny Plank 制作Gareth Jonesエンジニアの典型的な80年代初頭のGerman New Waveのバンド!) のアナログレコードが飾られていた。かかっていた音楽は音も小さく全く無難な ものだったけれども。 コーヒーを頼んで店内のポスターやチラシを眺めていると、マスターに声を かけられた。Merzbauという怪しい名前の喫茶店があるという噂をインターネットで 聞きつけて東京からの出張のついでに立ち寄ってみた、と言うと感心していたが。 Merzbauという名前だからそういう建物かと思っていた、と言ったら、5年前に 建て直して、今のように奇麗になったとのこと。 金沢近辺で現代美術が観られる所が無いかと尋ねたところ、金沢市民芸術村を 薦めてくれた。今やっている企画展には友人が数人出展している、と言っていた。 さらに、現代美術に興味があるなら、と、やはりその界隈の人が発行している(た?) 金沢発の現代美術雑誌"Apro"の95年3月の創刊号を一部くれた。定価2,300円の B4版の丁寧な作りの年2号発行の雑誌だったが、売れずに余っているとのこと だった。執筆・翻訳陣に湯浅 学やインドラ・リーヴィもいるという豪華さだが、 さすがに金沢発では厳しいのだろう。 最後に、こんなCDが最近出た、と、Kurt Schwitters "Ursonate" (Wergo, '94)を マスターに見せた。さすがにこのCDの存在は知らなかったよう。 というわけで、現代美術に興味あるなら、展覧会などの情報を入手しに、金沢に 行ったら寄ってみるのも良いかもしれない。場所も香林坊に近いし、コーヒー 一杯300円という値段も手頃だ。 ・ ・ ・ 現代アートの表象展I 金沢市民芸術村 Pit 5 アート工房, 金沢市大和町1-1 (金沢駅西口) 96/10/4-22, 10:00-19:00(土-21:00) 金沢市民芸術村のオープニング企画として、96/10/4〜97/1/11の間開催されて いる展覧会の第一期の展示。「石川県内を拠点に意欲的に創造活動を展開して いる現代アーティスト」の展覧会。 当然ながら知らない作家ばかり。作風も、コンセプチャルなインスタレーション から、シュルレアルな題材の伝統的な絵画まで、かなり雑多だ。玉石混交という ほど、個別にとりあげたい作品が交じっていたとは思わない。ただ、こういう シーンがちゃんとあって良かった、とは、思った。 金沢市民芸術村は金沢駅西口から線路沿いに少し南に行った所にある旧大和 紡績倉庫群を再生して作った多目的な芸術スペース。この10月にオープンした ばかりだ。 5つのPitからなり、それぞれエコライフ工房、ドラマ工房、オープンスペース、 ミュージック工房、アート工房と名付けられ、演劇や音楽、美術展などに使える ようになっている。非常に安価に24時間利用可能な形で借りることができる。 たとえばギャラリーに相当するアート工房の場合、約500m^2の広さで、1/4日 1,000円。一日借りても4,000円だ。 ライブハウス相当のミュージック工房中央スタジオはPA付きで1,000円/2時間。 例えば22時〜8時で借りても5,000円だ。禁煙、飲食禁止というのが厳しいが。 ターンテーブル×2+ミキサー、マイク、楽器等を自前で用意できれば、それを 持ち込んで、飲食喫煙は隣のオープンスペースでやってもらえば、安価に音楽 イベントができてしまう。すごい。 もし金沢近辺に住んでいたら、興行的には失敗してもいいから一度は借りて 何かしてみたいという気になるそんな安価なスペースだ。が、なぜか、予約は さして埋まっていない。なぜだぁ!!?? もったいない。 ・ ・ ・ 堅町にあるTower RecordsにCDの品揃え調査(?)に行ったが、妙にtechno度が 低かった。hip hopなら独立したコーナーがあるのだが。Tower Recordsの フライヤ置場に、クラブ・イベントのフライヤが1種類だけ置いてあった。 Teenage Kicks. 08と題されたもので、UK/US Indie Pop, Guitar Pop, Euro Pop & Moreとあった。08ということはこれで8回目なのだろうか。ちょうど18日の 21時半からのものだったが、あえて行かなかった。しかし、場所がtel.no. のみで住所も地図もないのは、フライヤとして問題ないか? 96/10/20 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕