木枯し一番にめげただけではないが、土曜日は一日中家に籠っていたTFJです。 久々に棚から発掘した音盤を聴くというのも、また新鮮。 日曜日は小春日和といった陽気に誘われて、ふらふらと自転車散策に家を出た。 最近ちょっとフランクフルト学派な気分 (なぜ、Mekonsは自身のレーベルをSinと 名付けたのか) なので、ホルクハイマー & アドルノ「啓蒙の弁証法」(岩波書店) を地元の図書館で借りて、有栖川宮記念公園でひなたぼっこしながら読んでいた。 段の多い公園内の遊歩道を自転車を担いで歩いていたら(良い子はあまり真似を してはいけません)、「あ〜、自転車運んでいる人がいる〜!!」と、おもいきり 女の子に指差されてしまった..。で、鳩に分けながら遅めの昼食にチーズとパンを 食べた後、向かったのは、図書館で雑誌を眺めていて最終日だと気付いたここ。 ・ ・ ・ 難民共和国 (Refugee Republic) - Ingo Gunther 東長寺P3, 新宿区四谷4-34 (新宿御苑前,曙橋) 96/10/4-27, 11:00-19:00, 月休 Ingo Guntherを観るのは初めてだと思うが、"Exhibition On Air"のような メディア・アートの作家だと思っていた。 今回のP3でのインスタレーションは、一見、普通のものだった。ほとんど 真っ暗なギャラリーには、赤く色付けされた数十本の蛍光燈がある形を象る ように腰程度の高さにつるされて浮かび上がっていた。所々で白いフラッシュが 光っている。奇麗ではある。 ギャラリーの入口には「難民=資本」と書かれた赤い蛍光燈が一本。ギャラリーに 下りて、蛍光燈を見ると、そこに難民共和国に関するテキストが書かれているのが わかる。歩いている床には黒い紙らしきものが一面にひかれ、そこに白い線で 何かが描かれているのにも気付く。 改めて入口に戻りギャラリーを見下ろすと、それは世界地図であり、白線は 難民が移動している国境線であり、赤い蛍光燈は難民の移動経路を示している ことが、わかる。 暗闇に赤く浮かびあがるテキストを読んでいるうちに、このインスタレーション というより、「難民共和国 (Refugee Republic)」というコンセプトが作品である ということに気付く。20世紀は難民の世紀、と言われるほど大量の難民 (推定 5,000万人、世界の人口の1%) がいる。それらを、難民共和国として仮想組織化 することはできないのか? という問いかけでもある。難民共和国のコンセプト などについては、ここで説明はしないが、http://refugee.net/ でその情報を 得ることができる。 「難民共和国」というコンセプトはとても面白いと思う。それも、哀れみの対象 としてでなく、超国家形態のアヴァンギャルドになりうるものとして捉えている のが面白いと思う。しかし、それと、東京ベース・キャンプであるこの展示の 関係はいまいち掴み辛い。それでも、メイン・ギャラリーの方は、奇麗で思わず テキストを追ってしまうような所がある。しかし、サブ・ギャラリーの展示は 意図不明だ。 ・ ・ ・ P3 art and environmentでは、96/10/1からMeta Tokyo Projectをネットワーク上で 展開している。URLはhttp://www.p3.org/metatokyo/。David Blairも参加している。 96/10/19に、第一回ワークショップ「東京バスツアー・都市探検ワークショップ」 というのがあったらしい。参加したかった。 96/10/27 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕