平日に仕事を休んで美術館へ行こう!! というわけでTFJです。前日の厳しい北風も収まり、爽やかな陽気に誘われて 木場公園に行った。昼前に木場にたどりつくと、公園南東角の洋食屋に寄り、 オムライスをテイクアウトにしてもらった。公園をゆっくり縦断して、 東京都現代美術館 (MOT) へ。その周囲に立ち並ぶ野外彫刻を眺めながら、 ベンチに座ってオムライスで早めの昼食を採った。ちゃんとドミグラスソースが かかっていて美味しい。 ・ ・ ・ 野外彫刻の祭典 − 20世紀の巨匠たち 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-1 木場公園内 (木場,菊川) 96/9/28-11/24, 10:00-18:00 (金 -21:00), 月休 今春Champs-Elysees, Parisで開催された"Les Champs de la Sculpture"展の 巡回展がMOTの周囲の屋外で開催されている。RodenのBalsac像のような − で 意外にこういうのが人気あったりするのだな − 、取り合わせにしても強烈と いうのもあったが。まあ、玉石混交か。 kinetic artな作品を楽しみにしていたのだが、Jesus Lafael Sotoの作品が 展示が強風で壊れたとのことで展示中止(泣)。風力レーダ (風カレーダなどと 読まないように。) は、無事なのに。ポル・ビュリ「泉」(作者名の綴、原題 不明) も貝のようにぺこぺこ動く噴水も良かった。 が、結局一番面白かったのが、巡回展に交じってあった常設のAnthony Caro "Tower Of Discovery"。家のようになっていて、実際に登ることができるのが 楽しい。街中の公園にこういう遊具がもっとたくさんあったら楽しいのに。 あそこに登ってお茶をしてみたい。MOTに行ったら、是非登って欲しい。 Anthony CaroやCesarの抽象彫刻も良かったけれども、Alberto Giacomettiの 彫刻より背景の壁面の装飾が気になってしまったり、納得いかない所も多いな。 ・ ・ ・ と、野外彫刻を観て歩きながら腹ごなしをして、館内へ。まずは企画展示室 1F & 3Fへ。 ・ ・ ・ David Hockney - A Print Retrospective 1954-1995 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-1 木場公園内 (木場,菊川) 96/10/10-12/15, 10:00-18:00 (金 -21:00), 月休 David Hockneyのカラーコピー、インクジェットプリントを含む版画ばかり 学生時代から今に至るまでの作品を300点も集めた展覧会。Hockneyは、例えば Moving Forus連作よりも、フォトコラージュの方が好きなので、あまり期待 していなかったが、そこそこ楽しめた。Weather連作は以前から好きだったし、 なんといっても、同じ構図の色違い/刷重ね違いの作品がいくつかの作品で 観られたのが、興味深い。 が、最も楽しめたのは、結局、写真をインクジェットプリンタで印刷した 最も最近の作品。スタジオに置かれた作品とそれにあわせて床に描かれた だまし絵的な絵を写真で撮影したものや、ギャラリーの壁にだまし絵的に 壁や通路、キャラクターを単純に描きそれにあわせて作品を展示している 様子を写真に収めたもの。こういう遊び心がいいね。 ちなみに、この展覧会に関連して、こういうコンサートがあるそう。興味ある 方はどうぞ。 Music of Los Angeles Minimalists 東京都現代美術館 企画展示室アトリウム 96/12/6 19:00- - David Mahlar, Peter Garland, Daniel Lentz, Harold Budd - 柴野さつき (p), 鎌田 直純 (bariton), 野々下 由香里 (mezzosoprano) ・ ・ ・ しかし、300点も一度に観るとバテる。館内の喫茶店に行って休憩。あんみつや 紅茶が美味しくなかったこともあるが、有線と思われる無神経な歌謡曲BGMに 苛つかされる。美術館の喫茶なのだから、こういう所にもっと気を使っても いいんじゃないか。選曲くらいなら、僕ならただでやってもいいぞ。 で、今日の本命であるCindy Sherman展に向かおうとしたら、写真専門学校生 らしき団体客がぞろぞろと入ろうとしているじゃないか。で、常設展示室に 流れて、彼らがいなくなるのを待った。 ・ ・ ・ 日本の美術、世界の美術 − この50年の歩み 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-1 木場公園内 (木場,菊川) 常設, 10:00-18:00 (金 -21:00), 月休 一階第4室Pop Artの部屋で、「どうしてこんな高いものを買ったのか」と 物議を醸したとして話題のRobert Lichtensteinを観るのもいいのだろうが、 やはり見所は三階の第6室 Minimal Art、第7室 New Paintings and Sculptures、 第8室 Beyond Minimalism。Donald JuddやFrank Stellaもいいし、河原 温も あいかわらずだけど、今回の一番は、草間 彌生 "死の海を行く"。 ・ ・ ・ で、Cindy Sherman展の方が静かになったようだったので、そちらへ。 Cindy Sherman展 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-1 木場公園内 (木場,菊川) 96/10/26-12/15, 10:00-18:00 (金 -21:00), 月休 理屈抜きに楽しめるんだよな、彼女の作品。二回も観てしまった。観終ったら もう閉館時間。結局朝11時から晩18時までの7時間の長帳場で、疲れきって しまった。というわけで、これを書くのも疲れてきたのでCindy Sherman展に ついては、また後日に。 96/11/7 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕