平日に仕事を休んで散策へ行こう!! というわけで、木枯らし厳しく木々から枯葉が散り、壁からJoe Strummerの ポスターが落ちる冬に歩き出したくなってしまうTFJです。それは若気の至り じゃなかった、真実に突き当たったんだ。冬に向かって歩きだそう、僕はそこに いると誓うよ、と、鞄の携帯CDプレーヤにSquarepusher "Feed Me Weird Things" をセットして谷中に散策に行ってきた。 _ _ _ 谷中へ行く前に、"火の起源と神話−日中韓のニューアート"展 @ 埼玉県立近代 美術館との関連で、 90年代の韓国美術から−等身大の物語 東京国立近代美術館 96/9/25-11/17, 10:00-16:30, 月休 とても共通点のある展示で面白かったので、会期末が迫っているが、併せて観る と良いだろう。火の気があるのはいいのだが、神話とか物語って…。と、詳しく は別途まとめて書こう。 _ _ _ 根津から善光寺坂を上野桜木へ。その途中の小さな古本屋でこの界隈を歩くの には欠かせない雑誌「谷根千」を。最新の其の四十七は売り切れだったので、 其の四十六を買う。外観もいい味を出している喫茶カヤバの角を曲がり、まずは 中村 政人 トラウマトラウマ / Masato Nakamura - Trauma Trauma SCAI The Bathhouse, 台東区谷中6-1-23 柏湯跡 (根津,上野) 96/11/7-12/14, 12:00-19:00, 日月休 コンビニエンス・ストアのCIカラー (店の看板やパッケージに使われる色の帯) をそのまま使ったインスタレーション。am/pm、セブンイレブン、ファミリー マート、ローソンの4社のものが使われていた。使われていたのは看板大のもの だけで、包装紙大のものを使った作品は無かったが。ギャラリーの外からも 目立つ、さすが。 普段の食材はいきつけの八百屋や自家製パン屋でできるだけ買うことにしている けれども、サイクリング中にはよくお世話になるし、一週間の間に一度もコンビ ニエンス・ストアを使わない生活などまず有り得ない。この展示を観ても、まず 店を思い出してしまうわけで、精神的外傷だとは思わないけれども、ちょっと 複雑な気分。ちなみに、色の組み合わせは、この中ではセブンイレブンのものが 一番好きだ、ということに気付かされた。 画廊にいたスタッフと少し話をしたのだが、作品を観に来る人より、元となって いる銭湯「柏湯」の建築を見学しに来る人が多いとのこと。東光美術館やシーリア お台場の話で盛り上がってしまった。 _ _ _ 冬の日暮れは早い。と柏湯をでて日暮の里に歩き出した。 いけだみつひろ展−谷中プロジェクト1996 アートフォーラム谷中, 台東区谷中6-4-7 (日暮里,千駄木) +谷中周辺数箇所 96/11/5-11/16, 11:00-19:00, 無休 SCAI The Bathhouseでパンフレット案内地図を入手していたが、まずはアート フォーラム谷中に寄って、さらに第二展示会場−第一展示会場は都合により中止 だった−の谷中学校へ。道灌山の諏訪神社から伸びる道−諏訪道というのだが− を歩くのは久しぶり。中学高校時代はよく歩いたので、とても懐かしい。と、 童心に帰って歩いていたら、いつのまにか朝倉彫塑館前。行きすぎ。場所に 心あたりがないので、通りすがりのおじいさんに場所を尋ねたら、ちゃきちゃき という形容が似合う対応。ここはまだすぐに見つかった。 が、問題は第三展示会場の長安寺前。それらしきものが見当たらない。閉切ら れた門の中にあるのではないかと、入ろうとしてみたり、近くの電柱に登ろうと してみたり、まわりこんで関係無い寺の境内に入ったり。これでは単なる挙動 不審者だ。もう、何でも「あれは作品ではないか」と思えてしまう体たらくだ。 完全に作家の術中にはまってしまった。第四展示会場でもあるアートフォーラム 谷中に戻って、スタッフにヒントを教えてもらったうえ、日が沈んでしまった ので懐中電灯を借りて再挑戦。それは意外な所にあった。うーむ。 作品はそれと気付き辛いような形で展示されており、それを探して歩いていると、 地上げ的な更地やら、ちょっとした家の軒や壁の瓦の模様やら、いろいろ目に 入ってきて、それがなぜか面白くて楽しいのだ。いい散策ネタになった。 最終の第九展示会場は、東京芸大裏の中古雑貨店EXPO。村上隆グッズも売られて いたり、とちょっと変なノリの面白い店。ここで「谷根千」最新号を入手。○ 今週土曜までだが、谷中散策ついでに、是非どうぞ。 _ _ _ 東京芸大の間の道を抜けて京成線の博物館動物園駅へ。崩れ落ちそうなドーム 状の入口があいかわらずいい味を出している。支える鉄パイプ組はまるで現代 美術のインスタレーションだ。中も凄いけれども。廃止の噂もあったはずだが、 今でも多いときは10分おき程度には電車が止まるのだなあ。 _ _ _ で、結論としては、夕暮れの谷中にSquarepusher "Feed Me Weird Things"は なかなか似合うのではないかな。特に"Squarepusher Theme"の乾いたギターの 音あたりとか。 _ _ _ 久々に谷中を散策して、楽しさを改めて実感。月に一度は足を延ばしたい、 そんな気分にさせられてしまった。 _ _ _ というわけで、「冬に向かって歩きだす会」を結成した。寒い木枯らしの中を、 てくてくおさんぽしよう、という会だ。とりあえず、次は、 Walk out to winter! Swear I'll be in 世田谷文学館 at 12:00 on 16th Nov. 96/11/14 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕