やっぱり水戸は遠いと思うTFJです。あの企画では展覧会だけで水戸まで行くのは あまりにあまりだと思ったのだが、対談聞いてオープニング・パーティに出るなら まあいいか、と昼過ぎの高速バスに乗って水戸へ向かった。 _ _ _ アートシーン90-96, 水戸芸術館が目撃した現代美術 第一期: 見ることは信じること 水戸芸術館現代美術ギャラリー 96/11/30-97/1/19, 9:30-18:30, 月休 - 会田 誠, IFP, 赤崎 みま, イチハラヒロコ, 小林 孝亘, Jan Groover, 杉山 知子, 曽根 裕, Doug & Mike Stern, 堂本 右美, 鯨津 朝子, 中澤 真純, 八谷 和彦, Barbara Kasten, 福田 美蘭, 宮島 達男, 森村 泰昌, 遊佐 辰也, 吉澤 美香, Robert Mapplethorpe パンプレットを見たら、普段の画廊巡りで観たことあるものが多い。特に好きな 作家のものは既に観たことあるものばかり。ということで、あまり期待はしては いなかった。'90s前半の現代美術を事典的というか教科書的に展示するという 感もあり、それほど興味を持てる企画ではなかった。実際にギャラリーに入っても 既視感の方を強く感じてしまい、新鮮味に欠けるところはあった。 八谷 和彦 "見ることは信じること"は、電光掲示板を部屋の角に曲げて展示して おり、眼鏡を使わずに文字を読みとることができなくなっていた。作家本人の言 では、わざと読めなくしたわけではないとのことだったが。 IFPの青空の照明はたぶん夜に観るともっときれいなのだろうな。実は密かに好き。 "旋回する表象"展 @ 斎藤記念川口現代美術館 が良かったので気になる鯨津 朝子 "Inside-Out wind Outside-In"は、素材がガラスとトレーシング・ペーパーに なっていて、その透明感が気にいった。 _ _ _ と、軽くギャラリーは流して対談の会場へ。15時頃ということで、第二部も半ば だったが。 _ _ _ 対談 - 90年代のこの7年間 水戸芸術館ACM劇場 96/11/30, 13:00-16:00 - 村田 真 (第一部); 峯村 敏明, 椹木 野衣 (第二部) 僕が会場に入ったときは、ちょうど椹木 野衣が語りはじめたあたりで、その後に パネリスト2人がスライドを使って紹介するあたりまで観た。 しかし、予想されていたことではあるが、見事なまでに話がすれ違っていた。 接点が無くて論争すら成立しないという感すらあった。椹木 野衣の「悪趣味」 「アイデンティティ」「内在性」といったキーワードは、違う文脈で以前から気に なる所でもあるので、スライドを観ながら話を聴くのは興味深かったけれども。 _ _ _ で、オープニングのパーティへ。実はこれが今回の水戸日帰り旅行の主目的か。 水戸芸「現代美術ファン」MLの人たちにも会えたし。二次会の居酒屋から帰りの 電車の中まで、とても楽しかった。 意外に今回は作家さんとかといろいろ話する事ができた。展示も対談もあまり観て いない上、今回は頭は宴会気分で水戸に臨んだので、あまりたいした話していない けれども。というわけで、今回は話した人 (敬称略) のことをミーハーに(笑)。 _ _ _ 椹木 野衣: 「悪趣味」「アイデンティティ」「内在性」というキーワードで、 話しました。カルチャル・スタディの限界の話をもう少しちゃんと − 自分が もっと勉強してからだけれども − 聴いてみたかったです。 曽根 裕: 作品通りノリのいい人で、MLの集合写真へ乱入してくれましたが、 自転車乗りとしては、今度は一緒に自転車レーサー姿で写って欲しいです。 「月面に人工芝を敷くパフォーマンス」のビデオ観たい (以下30回繰返) 、と、 ここでも言っておきます。 会田 誠: ほとんど話できなかったのですが、個展で会ったのを覚えていてくれて、 パーティが終わったとき二次会の誘いの声をかけてくれました。嬉しかったです。 八谷 和彦: 二次会でもこちらの席までわざわざ来てくれる、など、親しみやすい 人です。最寄りの五反田駅まで一緒に帰りました。山手線の中で、アイデアの 参考にしている本(ひみつ)というのを見せてもらいました。 斎藤記念川口現代美術館で気にいった鯨津 朝子さんとも話をしたかったのですが、 可愛らしい方だったのでシャイになってしまい(!?)、話かけられませんでした。 _ _ _ 日曜はちょっと疲れもあって、イラン映画祭は回避。昼過ぎに家を出てふらふら 自転車で散歩していたが、日差しの割に寒い。早々にいきつけのジャズ喫茶に 逃げ込もうとしたら、今日は臨時で16時半開店とか。ということで、日没前に 帰ることにした。 というわけで、今日はいきつけのジャズ喫茶ではなく自分の部屋で、帰りに地元の 商店街で買った揚げたての大学いもをつまみつつ、アールグレーを飲みながら、 これを書いている。サンルームの大きな窓の外の暮れなずむ空には、The Durutti Column "The Return Of The Durutti Column" (Factory, '80)が似合う…。 けれども、さすがに、窓の明りだけでは、そろそろ手元も見えなくなりそう。 96/12/1 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕