土曜は早くに目が醒めたので、早々に自転車に乗って家を出たTFJです。 天気が崩れるという予報もあったので、その前に、ということもあって。 しかし、地元の図書館でのんびり本や雑誌をながめたり、銀座京橋の画廊を ふらふら − 作家名を失念したが、ギャラリー山口地階のインスタレーションは、 足がふんばっているようなユーモラスな出来で気にいった。 − していたら、 木場公園に着いたときには既に昼を少し過ぎていた。いつもの洋食屋 「ふくや」で弁当を作ってもらうと、屋外のベンチで美術館を眺めつつ昼食。 _ _ _ 20世紀絵画の新大陸 − ニューヨーク・スクール Founders and Heirs of the New York School 東京都現代美術館, 江東区木場公園内 (木場) 97/1/25-3/16, 10:00-18:00 (金 -21:00), 月休 - Bradley Walker Tomlin, Jack Tworkov, Mark Rothko, Adolph Gottlieb, Arshile Gorky, Clyfford Still, Willem de Kooning, Barnett Newman, James Brooks, Franz Kline, Jackson Pollock, William Baziotes, Ad Reinhardt, Philip Guston, Robert Motherwell; Joan Mitchell, Jake Parthot, Paul Rotterdam, John Walker, Pat Steir, Terence La Noue, Hugh O'Donnell 抽象表現主義 / The New York School の作家について勉強してきました、 という気分になってしまった展覧会だった。 The New York School と呼ばれた15名の作家と、その後に続く7名の作家について、 5点程度づつ展示してある。なんかベタっと展示されているようで、衝撃に欠ける。 色彩とタッチの官能に身をひたす、というより、こういう絵を抽象表現主義の 絵というのかと再確認して歩くような感じになってしまった。はあ。 Mark Rothko など、1昨年に川村記念で観たときはあんなによかったのに、 と思ってしまったが。de Kooning や Pollock、Kline といった有名所は以前に 同じような作風の作品を観た覚えもありそこそこ好きだし、初めて観たと 思われる作家でも、いいなと思う作家もいたが…。 そんな中、もっと観たいと思ったのは、荒海の波しぶきのような Pat Steir。 The New York School ではなくそれ以降の作家だが。ミュージアム・ショップに あった画集をちらと見たら、もっと違う作風のものもあり、それも面白そうだと 思ったということもあるのだが。 ちなみに、この関連企画として、こういうコンサートがある。 Music Of The New York School 東京都現代美術館 エントランスホール, 江東区木場公園内 (木場) 1997/3/14, 19:00-20:00 - Christian Wolff, John Cage, Morton Feldman, Earl Brown - 井上 郷子 (p), 村田 厚生 (tb), 南山 華央倫 (viola) 現代音楽において The New York School という言葉は The Darmstadt School に 比べても一般的ではないと思う。Earl Brown、John Cage、Morton Feldman、 Christian Wolff の4人の作品を収めた Various Artists "The New York School" (hat Art, CD6101, '92, CD) の Art Lange によるライナーノーツは「もちろん New York School は無かった。」という書き出しで始るのだが。美術における The New York School ので抽象表現主義のようなものはこの4人の間にはない、 という点で、同じような意味ではとらえられないと思う。 しかし、North Carolina の Black Mountain Collage に始る、これらの作曲家と 抽象表現主義の作家との (意外な?) 関係が、このライナーノーツに書かれている。 John Cage "Seven Haiku" の6番目は Willem de Kooning に捧げられたものだし、 Morton Feldman には "Rothko Chapel" という作品もある。(このライヴでは 演奏しないようだが。) この東京都現代美術館での Mark Rothko 展のときは、高橋アキ plays Morton Feldman というコンサートがあったのだが、このときは抽選に外れて観ることが できなかった。しかし、今回は無料で立見の可能性もあるが予約等も不要なので、 ふらと足を運んでみるのも悪くないかな、とは思っている。 パンフレットによると、ピアノ奏者の 井上 郷子 は、今年 hat Art から ソロ作品を出すらしい。どういう演奏をする人なのか気になる。 Soundtracks for this exhibition: Various Artists "The New York School" (hat Art, CD6101, '92, CD) Various Artists "The New York School 2" (hat Art, CD6146, '94, CD) Various Artists "The New York School 3" (hat Art, CD6176, '96, CD) Morton Feldman "Rothko Chappel / Why Patterns? (New Albion, NA039, '91, CD) _ _ _ 後は、小林 登美夫 ギャラリー − 村上 隆 の作品より 蓮實 重彦 が東京大学の 学長になったという話の方が衝撃的だったが。しかし、こういう話に疎くなった ものだな、僕も。 − をちょと覗いただけ。あまり美術を観る気分じゃない。 御徒町の自転車ショップへ行って、冬物レーシングウェアのセールを漁ったり、 小物を見たり。 思っていたより早く神田神保町へ出、久々にゆっくり書店めぐり。これといった 古書との出会いはなかったのだが、大学時代の友達と高校時代の友達に会った。 「さすがに、ここに来ると知り合いによく会うなぁ。」と、久々に会った 高校時代の友達 − 一緒に図書館にいりびたってたんだが − に言ったら、 「そんなことないぞ、おまえだけだろ、それは。」と言い放たれてしまった。 しくしく。 97/2/16 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕