どうも、僕が自転車で出かける日に限って寒い日のような気がするTFJです。 というわけで、前の 2/22 程でないが、3/2 も寒かった。前日は暖かかったのに。 それでも、昼過ぎには、自転車で世田谷美術館へ。水戸芸現代美術 ML 等で、 「ひかりのからだ」を一緒に体験してくれる人を募ったところ、応じてくれた 方がいたので、その人と待ち合わせをして。 八谷 和彦 「ひかりのからだ - Vanishing Body」 世田谷美術館, 世田谷区砧公園1-2 (用賀) 97/2/8-3/23, 10:00-18:00 (土 -20:00), 第二,四月休 ある意味で「全裸の姿を見せ合う」わけで、かなり無茶な呼びかけだと思って いたので、誘いに応じて下さったみなさん、ありがとうございました。結局、 もう一人女性の方がいらして、その方と体験することになったわけですが。 まさか女性 − それも初対面 − と体験することが出来ると思いませんでした。 あまり話をする時間がとれなかったのが残念でした。 全裸になって、対称な真っ暗な2部屋にそれぞれ別に入って、赤外線カメラで、 壁に投影された裸の写真や、交互に投影されるお互いの姿を見る、というもの。 お互いの姿を見るには、中で声をかけあって位置を確認しあう必要があり、 それがちょっとゲーム感覚か。お互いの姿は白いシルエットで見える程度。 お互いのシルエットを出すことはできたが、重なるような位置にもってこれな かった。頭に手をやったりしてシルエットに変化をつける余裕ができたくらいの ことろで、「映画上映会が始まります。」というアナウンス。ゲームオーヴァー。 全裸になる若干の緊張感と非日常感は楽しいが。去年に体験した「視聴覚交換 マシン」で、あるカップルが交わした「おまえ、いつも俺の胸を見ているのか。」 「高い〜。」という会話から受けたような衝撃、相手や場合によってはそういう 衝撃があるのではないかという予感、そういったものが無かったのが残念。 「視聴覚交換マシン」を越えるのは難しいか。 _ _ _ 続いて講堂へ行って映画を。寒かったー。 _ _ _ 「ラヴァーズ〜万里の長城」 "The Great Wall Of China - Lovers At Brink" ('90) - 16mm, color, 52min - Marina Abramovic, Ulay - Written by Murray Grigor with Marina Abramovic & Ulay. Directed by Murray Grigor 当時恋人同士だった Marina Abramovic と Ulay が、互いに万里長城 (全長 約 4,000 km ) の両端から約三ヶ月歩いてほぼ中間で出会うという、88年の パフォーマンス「恋人たち万里の長城を歩く "The Lovers Walk on the Great Wall of China"」のドキュメンタリー。 字幕なしということで細かい話は追えなかったが、もし話がちゃんとわかったら、 もっとうんざりしていたかも。ちょっとメロドラマチックそう。だめだなぁ。 砂漠の中を歩く Ulay の日除けの青いポンチョ姿はきれいだったが。 _ _ _ 続いてヴィデオ上映しつつレクチャー 栗山 明 「馬 六明と北京東村の記録」 世田谷美術館, 97/3/2, 15:00-16:30 93年〜95年に存在したアーティスト・ヴィレッジ、北京東村の紹介。パフォー マンス・アート中心。しかし、クレージーだ。観客がアーティスト仲間や 評論家しかいない、情報が少ない、ということがあるのか、純粋培養という よりむしろ極端化している感がある。 特にリーダー格の 張 ホワン (Zhang Huan) が凄い。体を張った自虐パフォー マンスの数々が壮絶。それもストーリー性に欠くので、説明するのも馬鹿らしく なるメチャクチャさだ。一度、生で観てみたいようなみたくないような。 これに比べたら、馬 六明の両性具有のイメージを利用したデタラメさなど、 普通に見えてしまう。といっても、展示よりもパフォーマンスのヴィデオの方が 面白かった。 アジアの現代美術、あなどりがたし。うーん。 _ _ _ で、一週間後の今日 3/8、再び世田谷美術館へ。さすがに暖かく、砧公園の 梅がきれいだ。自転車日和とも言えるが、花粉症が辛い。今日も映画上映会。  _ _ _ 「草間の自己消滅」 "Kusama's Self Obliteration" ('67, USA) - 16mm, color, 24min. Directed by Yayoi Kusama 「フラワー・オージー」 "Flower Orgy" ('68, USA) - 16mm, color, silent, 8min. Directed by Yayoi Kusama 「ラヴ・イン・フェスティヴァル」 "Love In Festival" ('68, USA) - 16mm, b+w, silent, 8min. Directed by Yayoi Kusama '67〜'68年という時代を感じる映画だったが、"I'm not here (1967)" なんて 思い出してしまう映画でもあった。追放された気分というか。 「変化し続ける部分」"Changing Parts" ('84, A Western Front Video Prod.) - video, 24min. Photographs, performance by Mona Hatoum. J. S. Bach "Cello Suite No. 4" を背景に室内の静物を映しだす前半で、 不覚にも意識を失ってしまったのだが、雑音のようなラジオの音ではっと目を 覚ました。泥で汚れたガラスをたどる手。雑音のような音の緊張感がいい。 このような後半だけの方がよかったかもしれん。  _ _ _ 映画はいまいちだった。残るは「クレマスター1」。 自転車で玉川通りを都心へ。時間が早かったので銀座へ行き軽く画廊めぐり。 徐 道ホ (ホ、はさんずいに獲の旁) の制服と壁紙が凄い。アジアの現代美術、 あなどりがたし。 渋谷に戻る途中に六本木WAVEへ寄ったが品揃えひどくなった。渋谷の Loft WAVE へも行ったが。現代音楽はほとんどなし。Quattro WAVE にあった現代音楽等の コーナーはどこへ!? と渋谷を歩いてたら、雨が降り出したので、例によって Mary Jane へ逃げ込ん でいる。 Gallery 360°で小杉 武久のパフォーマンスを観てきたという舞踏家 3人組がやってきた。良かったよう。要予約だったので回避してしまったが。 そうかー。うーん。 97/3/8 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕