この週末は Hale Bopp 彗星観測合宿へ行く予定だった TFJ です。が、雨で中止。 緊張が切れたか、土曜は起きたら昼過ぎ。そのままだらだらしてしまったが、 夕方に神田神保町に出て音盤店+書店巡り。で、渋谷に流れるついでに、 ワタリウム美術館へ寄ってみた。 中国現代美術展 "Chinese Contemporary Art 1997" ワタリウム美術館, 渋谷区神宮前 3-7-6 (外苑前) 97/4/5-7/27, 11:00-19:00 (水11:00-21:00) (月休;5/5,7/21開) - 陳 育強 (Chan Yuk Keung), 高 波 (Gao Bo), 林 天苗 (Lin Tian Miao), 王 功新 (Wang Gong Xin), 王 晋 (Wang Jin), 張 ホワン (Zhang Huan), 展 望 (Zhan Wang); (張 ホワン の ホワン は、サンズイに亘) 受付で、翌早朝に 張 ホワン のパフォーマンスがあると聞いてびっくり。 そもそも、張 ホワン が出展していることすら知らなかった。で、受付の人と 張 ホワン の話で盛り上がっていたら、後ろを 張 ホワン が通り過ぎた。をを。 というわけで、迷わず予約を入れた。展示の方は時間がなくてあまり観てない ので、また観に行く予定。会期中何度でも入場可、というのは嬉しい。 張 ホワン は 北京東村の中心的なアーティストだった人で、体をはった過激な パフォーマンスの様子をとらえたヴィデオが NIPAF '97 と「デジェンダリズム」 展 @ 世田谷美術館 で紹介されていた。NIPAF '97 の時にパフォーマンスする 予定も、このときは来日できなかった。 で、日曜早朝、霧雨のワタリウム前へ。 張 ホワン パフォーマンス "3006m^3:65kg" ワタリウム美術館前, 渋谷区神宮前 3-7-6 (外苑前) 97/4/6, 6:00-7:30 5時50分に着くと、ワタリウム美術館と外苑西通りを挟んで向かいにある On Sundays の建物の屋上の間に、無数の茶色のゴムチューブを渡してあった。 ワタリウム側は2階の搬入口は開けられ、そこから屋上にかけて、ゴム チューブが出ており、ゴムチューブのワタリウム側の屋上の方には、風鈴が 十ばかりかけてある。On Sundays の屋上には車輪が置いてあり、その手前に 針金の柵が設けられており、ゴムチューブのいくつかは車輪に、多くは 奥の方で何かに固定されているようだった。 渡すゴムチューブの数はさらに増やしており、6時半過ぎまでひたすら作業を 続けていた。信号で車が止まる間を縫っての作業なので、本数はたいして 増え無かったが。その間、微かな霧雨の中、作業を見守る観衆は20〜30人 だろうか。雑誌やTVの取材も来ていた。見学者には会費とひきかえに支援 委員会の腕章が渡された。 On Sundays の屋上で作業を指示していた 張 ホワン が降りてきて ワタリウムの2階搬入口へ。パフォーマンス開始だ。On Sundays の屋上を みつめながら全裸に。そして、降りて来るとちゃんと信号待ちして外苑西 通りを On Sundays 前へ。立てかけてある梯子ではなく街路樹を登った。 手掛かり足掛かりもあまりないのに巧く登った。で、枝が広がる最上部へ。 そこで数ポーズ。で、街路樹から On Sundays 屋上へ鉄パイプで渡しが 組んであり、そこを途中ポーズを決めつつ屋上へ。 ここで、金髪碧眼人女性に話かけられた。「あれは何ですか?」「現代美術の パフォーマンスです。」「現代美術なのはわかります。その何なのですか?」 「だからパフォーマンスです。」「パフォーマンスなのもわかります。その 何なのですか? 舞踏ですか?」「いえ、違います。彼は中国の作家ですし。」 と、なんとも要を得ない会話をしてしまった。うう。 で、張 ホワン は、ワタリウムに向かって車輪に腰掛けて、数本のゴム チューブを体に固定すると、ワタリウムと引っ張り合いを開始。張力に よろよろしつつ、時には落下防止の針金の柵にへばりついた状態になったり。 と、よたよたしているうちに、片輪が車軸から外れた。 その前後だろうか、7時前についにパトロールカー登場。警官が出てきて 「責任者出てこい」。が、即刻中止にならず、パフォーマンスはそのまま続く。 美術館のスタッフが対応し、パトロールカーは遠巻きの位置に止まり様子を 監視している。 張 ホワン は、一時ゴムチューブを体から外し車輪を車軸にはめなおして、 ひたすらよたよた引っ張り続けた。7時過ぎにゴムチューブを体から外し パフォーマンス終了。観客から拍手が出る。 梯子から降りたあたりで、再び警官が寄ってきたが、その場で取り押さえられる ことなく、観客の拍手の中、美術館の中へ。で、そとでは、警官とスタッフが 話をしている。また、急いで片付けも開始された。渡していたゴムチューブが 電話線にからんでいたりしたが、大丈夫だったのだろうか。観客はスタッフに 促されるようにして解散。微かな霧雨が降る道を外苑前に向かったのは7時半頃 だった。 と、一部始終を書いてみて、じゃあ何だったのか、というと、とりとめない。 ヴィデオで過激に体をはったパフォーマンスを観ているだけに、意外におとな しいかなー、とも思ったし、面白かったというには間延びしていた。シリアス なのか笑いなのかなんともいえないが、よたよたとゴムチューブを引っ張って いるのは馬鹿馬鹿しくもある。けど、徒労に感じたということはなかった。 まあ、希な現場に居合わせたというなんとはない満足感に過ぎないのかも しれないが。 ちなみに、パフォーマンスの題 "3006m^3:65kg" の 3006m^3 はワタリウムの 建物の容積、65kgは 張 ホワン の体重ということらしい。 _ _ _ 家に帰って11時頃まで寝直したが、起きたら雨足が強くなっていた。ちょうど、 通販で買ったCD・レコード用段ボール箱が届いていたので、久々に整理を試みる。 半日以上かかっての整理で、増える速さがとうてい整理が追い付くものでない ことを痛感した。はあ。背中から腰にかけて疲れたぁ。はあ。 97/4/6 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕