職場の引越で仕事ができないどころか居場所もないので、いきなり午後休暇を とって、ふらふらと銀座の画廊めぐりをしてしまった TFJ です。興味深かった ものをピックアップ。 _ _ _ 「Tout Ben - ベンのすべて」展 ギャラリーGAN, 銀座7-2-22 DOWAビル1F (銀座) 97/5/12-6/7, 11:00-19:00 (日祝休) - Benjamin Vautier 黒地に白の筆記体 (に限らないのだが) で書かれたメッセージのTシャツや鞄 などのアートグッズでお馴染み Benjamin Vautier の展覧会。こうして観るのは 実ははじめて。入口に「変化のためにエゴを破壊せよ」とかなんとかいう看板が 立っていて、面白いかな、と思ったのだが。 面白くない理由その一。"アート"への言及が多い。確かに画廊や美術館へ "アート" を観に来ているという状況では皮肉かもしれないが、そこで止まってしまう。 面白くない理由その二。一般論抽象論に過ぎる。いわゆる「総論賛成各論反対」 的な状況なら、「総論賛成」のところに留まることの出来る題材が多い。 日常性がない分だけ、よそ事でいられる、というか。 "アート" が日常的になっている人に向けられた内輪ウケのように感じる。 言葉を使った作品なだけに、こういう所が厳しく出てしまうとおもう。造形的 な作品なら、題材が "アート" やメディアに対するものでも、面白いものも あるのに。 _ _ _ ディディエ・クルボ インスタレーション展 「語り手は声を失っていた」 ザ・ギンザアートスペース, 銀座7-8-10 ザ・ギンザビルB1F (銀座) 97/5/19-6/15, 11:00-19:00 (日祝 11:00-18:00, 無休) - Didier Courbot ボヤけたスローモーションの映像とときおりのボヤけた音像からなるビデオ作品 2作と、架空の(?)ビデオ作品を記述説明するような文章を黒い壁に白ゴチックで 書いた作品からなるインスタレーション。2台のエレヴェーターの中にも、 文章作品のインスタレーションがある。 この二つの作品をうまく併せれば Edward Ruscha の「曖昧な風景と鮮明な言葉」 的な作品のビデオ版とでもいうべき面白い作品になるとおもうのだが。どうも、 相矛盾している、というより、単にすれ違っている。 オシャレな感じにはなっているし、そこそこ気にいったんだが…。 _ _ _ "Ginza Gallery Net '97 - Post Womanhood" は始っていたし、いくつか観たが、 これは後程まとめて。 _ _ _ で、いつものようにいきつけのジャズ喫茶に行ったら、客がいなかったので、 買ったばかりの Derek Bailey, Pat Metheny, Gregg Bendian, Paul Wertico "The Sign Of 4" (Knitting Factory Works, KFW197, '97, 3CD) をかけてもらう。 Pat Metheny が Derek Bailey に合わせ過ぎという感も…。と2枚め半ばで客が 来だしたので、おしまい〜。うう。 97/5/29 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕