日曜は天気もはっきりしなくて判断に苦しんだけれども、自転車で早稲田へ 向かった TFJ です。以前から気になっていたギャラリーNWハウスへ行ってみた。 中ザワ ヒデキ 展 ギャラリーNWハウス, 新宿区西早稲田1-3-7 NWハウス1F 97/6/4-16, 13:00-20:00 (火休), 無料 フロッケ展でもよくみかけるフロッピーの作品の人、というイメージのある 中ザワ ヒデキの展覧会。 表音/表意文字と文字の配列 (等幅=グリット配列 / 非等幅=シーケンシャル 配列) に関する美的考察といった一階の展示は、ある意味で日本語でのタイポ グラフィの問題を提示しているのかもしれないが、それにしてはあまり面白くない。 嘘でもいいから切実感がないからか。というか、こうも決定的な差違という 極端なところがあまり感じられなかったからかな。 そもそも、アルファベットにしても、タイプライター〜キャラクター表示時代の コンピュータでは等幅だったわけだし、草書などで書かれたカナ漢字はおよそ グリッド配列ではない。いまいち筋がよくないからかな。 むしろ、どうしてこういう問題意識が出てきたのだろう、と ASCII art 的な 作品を Macintosh でした展示を観ていて、Macintosh のアルファベットが ディフォルトで非等幅で表示されることを思い出した。 と、他の作品を観ていると、きわめて Macintosh 的な (Macintosh を通して 世界を見ている) 人なのだなぁ、という気がしてきた。無自覚に Macintosh に 使われてしまっているのか、意図的にそうしているのか、判断しかねるが。 そんな中では、不可視関数体験装置は、ある意味で単純に楽しめた。 あと、横書き私小説である 水村 美苗「私小説 from left to right」(新潮社) を ふと思い出した。これは、このレヴューのように横書き日本語英語交じりで書く ことはどういうことなのかいろいろ考えさせられるものがあったんだけどなぁ。 この展示を観ても、あまりそんな気がしなかった。僕が Macintosh をあまり 使わない人だからかな。 と、早稲田まで来たのでさらに足を伸ばして目白の「マーキー」誌の 輸入盤店 World Disques へ。もちろん、drum'n'bass コーナーがどう なっちゃってるんだろう? という野次馬根性で。だが、下手すると量販売店 より貧弱な品揃え。まあ、意外に非プログレな欧州のマイナーレーベル盤が あったので、そちらでは使えるかな。 雨降りだしそうだし寒いので、早々にいきつけのジャズ喫茶 Mary Jane へ。 先週に Jean-Luc Godard "Nouvelle Vague" の soundtrack をかけてもらった ときに、この映画のヴィデオを持っていくという約束をしていたのだが。 それを持って行ったら店では "Paris Texas" (a Wim Wenders film, '85) の original soundtrack がかかっていた。これも会話入りなのだな。しかし、 ここはいつからジャズ喫茶じゃなくて映画喫茶になった (なってないって) のだろう? いいのだけど。 97/6/8 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕