杉本 博司 おっかけというわけではないが、彼の作品が観られるコレクション展を 二つ観てきた。まずは、台風一過の金曜の晩に。さすがに空いていてよかった。 _ _ _ 質・量 − 原美術館コレクション展 原美術館, 品川区北品川 4-7-25 (品川) 97/6/7-7/13 (月火休), 11:00-20:00 (土日祝-17:00), 700円 杉本の展示は2階のギャラリーIIIを一室を使ったもので、去年のハラミュージアム・ アークのミニチュア版。グレーの壁に作品 (「海景」シリーズ) を奥の壁に一枚、 入って左手に三枚、右手にはもちろんなし。去年のゆったりした空間にくらべて 狭苦しいし、作家や題名を記した札が若干目立ち過ぎるが、この渋さはとてもいい。 他の部屋では Donald Judd や Bernet Newman とかがあった minimalistic な ギャラリーIV がよかった。 原美術館へ行ったら Cafe d'Art の企画ケーキ。今回は 李 禹煥。チョコレート・ シュー・ア・ラ・クレームの石に、薄いチョコレート・ケーキの鉄板。ケーキが じっとり重めで美味しい。 _ _ _ つづいて、日曜に、木場〜佐賀町方面へ。Jasper Jones がはじまる前だったので、 空いていてよかった〜。やはり、空いていることは重要だー。 時間 / 視線 / 記憶 − 90年代美術にみる写真表現 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-1 (木場) 97/6/20-8/17 (月休), 10:00-18:00 (金10:00-21:00), 500円 なんと、こちらも、去年のハラミュージアム・アーク風の展示。「劇場」シリーズ だったけれども。今や、杉本はこう展示するのがお約束なのか。この展示方法は 写り込みを防ぐためという目的だと聞いてはいるが、杉本のある意味で コンセプチャルな作品だから生きるというのもあるかもしれない。 こちらは広いので、空いていたこともあり、全体のハコのひどさからは奇蹟的とも いえるいい感じの渋い空間になっていた。 他の作家では、畠山 直哉 の渋谷川の連作が良かった。この人もタイポロジーな 人だな。(Becher 展と一緒に川崎でも展示されていた。) 若干視点が社会的な感も あるので、そこは杉本より興味深くはあるんだけど、美しさというかそういう 圧倒感が杉本の方があるからなぁ。 しかし、常設展示室にある 李 禹煥 の鉄板と石の作品が、チョコレート・ケーキに 見えてしまっていけません。恐るべき Cafe d'Art のケーキ。ううう。 _ _ _ 木場にいったついでに佐賀町 Exhibit Space へ行ったら、磯崎 新がらみな建築の 展覧会。住空間における"フェミニズム"、ってどこがー!? という気もしたけれども、 「こんな家にどう住むのかー!?」っていうのもあって、そこそこ楽しめました。 あ、食糧ビルでは、フジテレビがドラマのロケをしていました。古い病院に見立てて。 97/6/22 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕