宇都宮の疲れもあって、図書館に行って休んでいたのだけれど、夕方に外に出たら 風もいい感じだったので、そのままふらふらと、夕涼み自転車散策。図書館で見た 「ぴあ」で気になったので。 宮本 知保 個展 - わたしの血 わたしのかたち 工房 "親", 渋谷区恵比寿2-21-3 (広尾), 03-3449-9721 97/8/29-9/10 (月休), 12:00-19:00 自分の血を撮影、ということで、Andres Serrano の写真みたいのを予想していた のだけれども、そういうことはなかった。 去年に西瓜糖で観た「うろこの地図」ではうろこの顕微鏡写真のフォトコラージュ だったが、これも血液の顕微鏡の写真だった。という意味では顕微鏡写真シリーズ ではある。 血液の顕微鏡写真は医学写真のような色ではなく、ピンク〜オレンジ〜イエローの 軽い色に処理されていて、抽象的。そういう写真が壁いっぱいにグリッド状に はられていてきれいだった。画廊自体が明るくきれいだったが。この色処理は コンピュータでではなく、アナログにカラー写真をプリントするときにフィルター をかけたとのこと。 しかし、題材が"うろこ"というあまり社会的に意味ないものから、血液という 社会的に意味を強く担ったものになったことにより、造形美に主眼を置いた作品 からぐっとコンセプチャルな作品になった感がある。こういう社会性がぐっと でてきたのはいい変化と思うが。 というか、前日に 笠原 恵実子 の "Pink" なんて観てしまっていたせいか、 妙に性的 (たとえば、血縁とか経血) な関連を深読みしてしまって、いかん。 作家さんがちょうど会場にいて、少し話したのだけれども、技術的なことが ほとんど。笠原 恵実子 の "Pink" の話もちょっとしたけど、何を撮影していた のですか、と尋ねられて、子宮口とは答えたけど、すぐ話題を変えてしまった。 初対面の同じ歳頃の女性とこういう話をするのは、やはりかなり抵抗ある。弱い。 しかし、冷たいお茶を出してくださり、夕涼み自転車散策中のひといき、には とってもぜいたくではあった。 97/8/31 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕