土曜は昼のうちに青山界隈の画廊・美術館をめぐったが。まあ、こんなものか。 ワタリアム美術館のコレクション展「I Love Art Part IV」(11/16まで) も 悪くなかったし、Comme des Garcons の Alison Berger のインスタレーションも 面白かったが、Nadiff の Marcel Duchemp の展示はいまいち。で、明るいうちに 玉川通りを下って砧公園へ。 アメリカン・ストーリー − 移動と変容の中で American Stories - Amidst Displacement and Transformation 世田谷美術館, 世田谷区砧公園1-2 (用賀), 03-3272-8600 97/8/30-10/19 (第2,4月休), 10:00-18:00 (土-20:00), 900円 名前を知っているのは Mike Kelly だけだったし、一階だけを使った企画だった けれども、意外と楽しめた展覧会であった。といっても、作家名や作品題をあまり 覚えていないのだが。 既成のイメージを引用しての風刺的な作品が多く、それもインスタレーションと して凝っているというより、戯画的な作品が多かった。中途半端にアートっぽい 風刺マンガ紛い、と言いたくなるようなものもあって、良いのか悪いのか…。 Pepon Osorio の「床屋では泣いてはいけない "No Crying Allowed In The Barbar Shop"」という、Puertorican の床屋を擬したインスタレーションは、奇妙な マチズムと「泣く」という落差が、チープでごちゃごちゃした店内に煽られて、 おかしい。しかし、どうして床屋なのか、という気もしてしまう。 Mike Kelly のフェルトのポスターは、ぱっと見もきれいだし、おそらく架空の ものと思われるパーティの内容も皮肉が効いている。が、皮肉が矛盾にまでは いっていないか。 かっこいいといえば、第一室。新聞っぽいドット見える写真に赤いタイプライタ 文字でキャプションを付けたものや、中国のおみやげ写真のシミュレートした作品。 妙な風刺臭さがなくていい。 そう、全体的に皮肉っぽいのだけど、矛盾を感じさせてくれない、って気もして、 そこがちょっともの足りない。けれども、一階だけだがコンパクトにまとまって いると思う。 97/9/7 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕