平日の朝一番に頑張っていってきました北浦和まで。 ジェームズ・タレル展 - 夢のなかの光はどこからくるのか? James Turrell - Where Does the Light in Our Dreams Come From? 埼玉県立近代美術館, 浦和市常盤9-30-1 (北浦和), tel.048-824-0111 97/10/10-12/7 (月休;11/3,24開;11/4,25休), 10:00-17:30(入場は17:00まで) 95年の春の横浜ポートサイドギャラリーのインスタレーションで、その繊細と言うより 極限的ともいえる光使いに感動して以来、気になる James Turrell。同年秋の 水戸芸術館での展覧会は、_Gasworks_ のような派手な個別体験型装置が話題に なったけれども、極限的な光使いという意味では、ちょっと繊細さに欠くかな、 という感じがした。 今回の展覧会は、個別体験型の装置は2種類から4種類に増えているが、他の展示は、 水戸芸術館のときの展覧会と基本的に同じものであった。赤い光が満ちているような ライティングとか、何度観ても奇麗だとは思うが。新鮮さには欠けたかな。 さて、個別体験型は、今回は、1)_Gasworks_ 2)_Telephone Booth_ 3)_Soft Cell_ 4)_Blind Sight_ の4つがある。_Gasworks_ は混雑のため回避したが、残りの3つに 体験した。 _Telephone Booth_ は _Gasworks_ の簡易版とでもいうもの。いわゆる電話ボックス 状の箱で、頭のところだけドームになっている。赤〜青の光の変化と、波動状の白い フラッシュによる光の感覚が楽しめる、という意味では同じ。ただ、立っているために ちょっとのめりこめないかな。光に体を包まれるというほどの感覚はない。ただし、 体験時間12分のうち最後の5分は、自分でダイヤルやボタンを調節して色やフラッシュを 変えて楽しむということができる。そういうインタラクティヴな面は、受動的に寝て いるだけの _Gasworks_ には無い楽しみかもしれない。 _Blind Sight_ (Site だったかな?) というのは、手すりを伝わって真っ暗な部屋に 入って椅子に座って20分。右と左と一度に2人入ることができるようになっている。 長いようで短いようで。座っているうちに、前方にぼんやりした白い丸い光が見えて くるのだが、はっきり見えるようになることはなかった。 _Soft Cell_ は水戸芸術館で一度体験しているので、展開は予想ついていたのだけど。 意外だったのは、しばらくすると目の前に _Blind Sight_ 同様の白いぼんやりした 光が見えるようになってきたこと。これは目の前に留められた白い丸い板のようなの だけれども。とすると、_Blind Sight_ もそういう板が見えていたのだろうか? 水戸芸術館では、体を動かしたら中の照明が付いてしまったり、と、なかなか集中 できなかったので見えなかったのだろうか。 水戸芸術館のときは、会期が始まってすぐに行ったこともあるのか、ほぼ貸し切り常態 だったのだけれど、この展覧会はなかなかの人気かな。平日だというのに会場前から 10人ほど並んでいた。しかし、人気は _Gasworks_ に一点集中。他の個別体験型の ものは、かなり余裕があった。 Turrell の魅力は極限的な感覚を使うところにあると僕は思うので、むしろ、 _Blind Sight_ のほうが面白いような気がするのだけれども。天体観測をしていると よくあるのだが、目が慣れてくると星がぽつぽつといつのまにか見えてくるような。 そんな繊細な美しさが僕は好きなのだが。 というわけで、横浜ポートサイドギャラリーで体験したときのような感動はないのだ けれども、なかなか体験できない感覚なだけに、楽しめるところはあった。 _ _ _ あと、別に埼玉県立近代美術館に代って告知する義理は全くないのですが。 告知がほとんどなされていないため、手続きの仕方が全然知られていないのですが、 個別体験型の装置は、往復葉書によって予約申し込みができます。昼13:00-15:00 (と金曜の 夜17:30-20:00) の時間帯だけですが。希望する日、昼夜のいずれか、希望 する作品1つ、住所、氏名、年齢、連絡先の電話番号を明記し、返信用葉書に送付先の 郵便番号、住所、氏名を書いて、希望日の20日前必着で送るとのことです。希望が多い 場合は抽選になるそうです。詳しくは (正確には) 美術館に問い合わせてください。 あと、今回の日本での展覧会は、国内三個所を巡回するもので、この後、 名古屋市美術館 98/1/31- 3/29 世田谷美術館 98/8/15-10/25 という予定になっているそうです。 97/11/8 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕