今年は教養を深める重点領域として建築を考えていたのだけれども、結局たいした ことはしなかったような気がする TFJ です。ううむ。 _Art Forum_ 誌 Summer 1997号の Henry Urbach, "Picks And Plans - on MoMA's Architectural Competetion" という記事で、MoMA (ニューヨーク近代美術館) が 10組の建築家を指名しての増築のコンペをやっていることを知った。その記事に よると、このコンペについて、_Toward the New Museum of Modern Art_ という 建築展を7月8日まで MoMA でやっていたようだが、その展覧会 (の一部) が巡回 してきた。記事を読んで興味を持ったので、観に行ってきた。 21世紀美術館のための10のプレゼンテーション - ニューヨーク近代美術館拡張計画設計案展 Toward the New Museum of Modern Art: Sketchbooks by Ten Architects TN Probe, 六本木5-14-35 (六本木), tel.03-3505-8800, http://www.mmstudio.miinet.or.jp/tnprobe/ 97/11/20-98/1/31 (日祝休;97/12/21-98/1/6休), 11:00-19:30 - Wiel Arets, Jacques Herzog and Pierre de Meuron, Steven Holl, 伊東 豊雄, Rem Koolhaas, Dominique Perrault, 谷口 吉生, Bernard Tschumi, Rafael Vinoly, Todd Williams and Billie Tsien 基本的にスケッチによるプレゼンテーションで、模型があっても小さく、見慣れ ない者にとっては、イメージし辛いものがあった。とりあえず、ファイナリストの Jacques Herzog and Pierre de Meuron, 谷口 吉生, Bernard Tschumi の3組を 中心に観たのだけど。 一番「こうなった MoMA を観てみたい (って、まだ MoMAへは行ったことないけど)」 という気になったのは、Bernard Tschumi。10点にまとめられた提案もわかり やすかったし、I. カルヴィーノ『見えない都市』へのオマージュというおまけも いいし。Herzog and de Meuron の増築部分は楔型だしなー。Tschumi と Herzog and de Meuron では、屋上庭園が強調されていたように思うのだけど、そういうの 流行なのだろうか? 豊田市美術館を設計した谷口のは、良くいえば堅実、悪く いえば無難な拡張という感じだった。 それ以外で目を惹いたのは、Rem Koolhaas。近代美術館なんてもう手の施しよう ないと判断したのか、近代美術館への Dadaistic な風刺コラージュのスケッチ。 くくく。普段、「東京都現代美術館は、現代美術館とは名ばかりで、実は大きな 近代美術館だ。」とか僕も言ってみたりするくらいで、まあ、そういう感覚も わからないではないんだけど…。ちょっと反則っぽい気もする。 と、建築については素人な僕でも、そこそこ楽しめた建築展だった。 97/12/6 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕