フェミニズムアートの先駆者と言われることも多い Louise Bourgeois の 回顧展。なんとか、最終日に行くことができた。{会期が終わったものを 紹介することになってごめんなさい。) 雪という荒天にしては混雑していた、 とも言えるし、最終日の割には空いていた。 ルイーズ・ブルジョワ展 Louise Bourgeois - Homesickness 横浜美術館, 横浜市西区みなとみらい3-4-1, tel.045-221-0300. 97/11/2-98/1/15, 10:00-18:00 (金-20:00) 最初の展示室にある最近のインスタレーション作品を観て、なんとなく、 他人の部屋=私的な空間を覗き込むような居心地の悪さを感じてしまった。 情念の固まりのようなドールハウズというか。こういう作風って、やはり 女性の方が多いような気がするが。個人的には、もっと醒めた感じの方が 好きなのだが。 というか、この情念っぽいところが、やっぱり古い作家なのかな、と 思うところもあった。たとえば、Cindy Sharman の80s年代末からの 作品は、非常に「アブジェクト」なものを感じさせる一方、あまり情念を 感じさせず、それが作品の鋭さを生んでいるように思うのだけれども。 初期のトーテムのような作品が林立した最後の小さなギャラリーが、 結局のところ、もっとも気にいってしまったのが、ちょっと納得いかない。 _ _ _ 今までなんとなくパスしてきた横浜美術館の常設展示室へ足を踏み入れてみた。 第二展示室にあった Kurt Schwitters の _Merz_ な小品も気になったけど、 第三展示室の「ダダと構成主義を中心に」というコーナーが、20年代ミーハー 心にヒット。Alexander Rodchenko, Vladimir Tatlin, Naum Gabo の 空間構成作品 (の再制作) があるし。Max Ernst, _Fiat Modes Pereat Ars_ というリトグラフ8連作 (というか絵本みたい) もよかったし。30年代の Rodchenko の写真は、ここにもあったけど、写真展示室にもありました。 写真展示室のテーマは「クロースアップによる形態 1920s-1940s」。 こっちもヒット。Man Ray, Has Bellmere、Andre Kertes といったあたりの Surrealism 寄りな有名ところはいいとして。意外だったのが、Raoul Hausmann がかっこいい写真を残していたということ。写真作品を作って いたことすら知らなかった。あと、Edward Steichen の写真が気に入った。 初めて名前を意識する写真家だけど、どういう人なのだろう。 と、企画展よりも楽しめてしまったかもしれない…。 _ _ _ これが、今年の美術展初詣だったのだけれど、何の因果か、去年の美術館 初詣@川崎市民ミュージアムに続いて、今年も原美術館の学芸員さんたちに 遭遇してしまった。ううむ。 98/1/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕