『写真の現在 ― 距離の不在』_Photography Today - The Absence of Distance_ 東京国立近代美術館フィルムセンター展示室, 京橋3-7-6 (京橋,宝町) 03-3272-8600, http://www.momat.go.jp/ 98/2/10-3/28 (日月休), 10:30-18:00 - 金村 修, 楢橋 朝子, 畠山 直哉, 松江 泰治, 斎藤 さだむ 畠山 直哉 の作品が最も目を惹いた展覧会だった。いかにも額縁状なので、遠目に やたら光って見える作品だなぁと思って、近づいて見たらライトボックスだった。 集合住宅やオフィスビルの照明が光る夜景を白黒写真で捕らえたものなのだが、 構図はもちろん特にトリミングのおかげで、その幾何的なパターンがとても面白い 作品になっている。遠目で見ると細部が見えない分だけ、光のパターンのようで 逆に面白い。 松江 泰治 をまとまって見るのは、一昨年のツァイト・フォト・サロン以来の ように思うのだが、相変わらず抽象表現主義の絵のような写真という印象は変らず。 ブッシュを遠目に撮影しているのだが、稜線やはっきりした谷筋、はっきりした 道や目印となる建物や特徴的な地形がほとんど写されていない (光の向きの関係で あまり陰影がないことも関係あるかもしれない。)。この対象と地の関係の曖昧さが うむ抽象的な感じが、気に入っている。 と、ある程度期待していた作家の作品は、やはり気に入ったのだが、残りの作家の 作品については、いまいちだった。というか全体としてちょっととりとめないかな。 98/3/28 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕