Renzo Piano & Building Workshop, _Out of the Blue_ ギャラリー MA, http://www.toto.co.jp/GALLERMA/ 98/4/25-6/27 (日月祝休), 11:00-19:00 Center George Pompidou の骨格配管むき出しの建築が印象的な建築家 Renzo Piano の展覧会。この展覧会を観ても骨格むき出しというイメージは大きく変らなかった けれど。 で、コンセプトシートを読みながら Centre George Pompidou のあの外観は、一種の 皮肉てもあるのかなぁ、とか思いつつ、一番気になったのは、地下の IRCAM (現代 音楽の研究所のような所。) のコンサートホール。模型を観ると可動式のゴンドラが 彩の国芸術劇場の大ホールと同じよう。現代音楽 (でなくてもいいのだが) でよく 使われる設備になっているのだろうか。 現代音楽といえば Luigi Nono, _Prometeo_ '83 の劇場デザインが興味を惹いた。 あんなスタジオで演奏するのか! 壁の二階三階にあたる部分に回廊がついていて、 そこにも演奏者が出入りするよう。観客もそこに混じるのだろうか。なんでも、 400人収容で分解して運搬できるようになっているらしいのも、凄い。実は、この _Prometeo_ は、今年の秋吉台国際音楽祭の98/8/26-27に Ensemble Modern が 日本初演することになっているのだ。ただ、クレジットには、Experimentalstuido der Heinrich-Strobel-Stiftung とある。Renzo Piano のデザインした劇場も一緒に 来日したりしないのだろうか? と、どうしても自分が興味ある分野に関する建築物に興味が行ってしまったのだが、 全体としては、4Fの展示の方が面白かった。 パンフレットの表紙にも使われている J. M. Tjibaou Cultural Centre は、 いかにも風通しが良さそうな建物で、それはそれで大胆な気もする。うううむ。 日本にある Renzo Piano が手がけた建築といえば、関西国際空港旅客ターミナル があるわけだが、メイン・ストラクチャーのジオメトリー・デザインの図面に、 "try to have maximum of assymetry in arch" という書き込みがあって、ああいう 曲線の出し方へのこだわりが感じられて興味深かった。屋外にも黄色い骨格が吊さ れていたけれども。関西方面へ行ったら、見に行くのもいいかもしれない。 と、資料はたくさんあるけどよく分からない (まあ、僕がそういう資料を見慣れて いないせいもあるのだが) 建築展とは違う、素人でも楽しめた展覧会だった。 98/6/21 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕