畠山 直哉『BLAST & camera obscura drowing』 ギャラリーNWハウス, 新宿区西早稲田1-3-7 NWハウス1F (早稲田) 98/9/16-28 (火休), 13:00-20:00 (最終日-18:00) 渋谷川の改修され人工的に線を引かれたかのような空間を巧く使って画面を2分した 感も格好良い『川の連作』シリーズを観て以来、とても気になっている写真作家の 個展。他の作品にしてもタイポロジカルな画面作りがとってもいいものが多い。 採石場を捉えた『ライム・ワークス』の延長ともいえる、砕石場での発破の瞬間を、 高感度のフィルムと高速度のシャッターで、時間を結晶化するかのように捉えた シリーズがあるのだが、この展覧会も1Fの展示はそれ。拡大してトリミングして ある作品では、1m×2m はあろう大きなプリントで観ると、まるで飛び散る岩の中に 飛び込んだかのようで、迫力満点。 しかし、もっと興味深かったのは、階上のギャラリーで展示されていたフリップ ブック (パラパラ絵本) 化した、この爆発写真。3冊あって、いずれも、フリップ ブック自体が手のひらに乗る程度で、写真は数cm角の小ささなのだが、発破で岩が 形良く飛び散る様子がよくわかってとても面白い。エプソンのカラープリンタで 作成したもので、非売品とのことだが、とっても欲しくなってしまった。 と、楽しめた展覧会だったが、一方で、『ライム・ワークス』のような画面を カメラ・オブスキュラを使って描いたドローイング (展覧会のポストカードに描く 様子を収めた白黒写真がある。) は、David Hockney のフォトコラージュ/コピー 作品をドローイングに置き換えたかのような感じで、ちょっと納得がいかなかった。 ファン向けのコレクターズアイテムなのだろうか。 98/9/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕