James Turrell, _Where Does the Light in Our Dreams Come From?_ 世田谷美術館, http://www.setagayaartmuseum.or.jp/ 98/8/13-10/18 (第二・四月休), 10:00-18:00 微妙な光使いが魅力のライト・インスタレーションをする作家の展覧会。 今まで、ヨコハマ・ポートサイド・ギャラリー、水戸芸術館、埼玉県立近代美術館、 と、展覧会を観てきているので、もはや新鮮味というのは無いが、それでもやはり 観ておきたい展覧会だった。 個別体験型の展示は、今回は、_Gasworks_, _Telephone Booth_, _Light Salon_, _Blind Sight_ の4つ。唯一未体験だった _Light Salon_ が空いていて、当日すぐに 体験できた。パーマの際に頭を覆うような機器を使って、目ではなく、後頭部から 強い光を浴びるというもの。何らかの知覚作用がある、というようなことであったが、 正直に言って、何がそれだったのかわからなかった。光によるものなのか光源の熱に よるものなのか、強い明りなので瞼越しに光って見えるのか。それとも、単なる 思い込みなのか。それほど強烈な感覚で無かったのも、弱いか。 というわけで、むしろ、ライティングの作品の方が楽しめた。_Plana_ はヨコハマ の展示のヴァリエーションというもの。色は赤だったが。ヨコハマには敵わないが、 水戸芸や埼玉近美の同様なものよりは暗かっただろうか。 水戸芸では暖色系の赤だったものが寒色系になったのが、_Key Lime Pi_。と、 今まで観たのと、暖色寒色が逆になっていたのが、少々気になったが。 と、瞳孔がある程度開く10〜20分くらい座ってぼーっと作品を眺めてたのだが、 その間にどんどん観客が出入りしていくのが面白かった。ほとんどの人が1分も 部屋にいないのだ。「こんなに暗いんじゃ、お年寄りじゃ何も見えないね。」と いって、すぐに出ていってしまう家族連れとか。そういう人たちの作品に対する 印象って、僕のものとかなり違うものになるような気がする。そして、あっさり 出ていってしまう人を見ていると、闇というものを知らない、暗さに目が慣れると いうことを知らない、そういう人が増えてきているのかもしれない、と思って しまった。そして、_Gaswaorks_ や _Telephone Booth_ のような強烈な光刺激に よる作品に人気が集中するのも、そういうことの裏返しなのかなぁ、と思って しまった。 98/10/04 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕