Tracey Mackenna & Edwin Janssen, _Ed and Ellis in Tokyo_ 都内各所 (P3, NADiff, 東京都現代美術館, その他), http://www.p3.org/eeintyo/ 98/10/2-25 オランダ出身の Ed こと Edwin Janssen と、スコットランド出身の Ellis こと Tracey Mackenna が10月中に東京で展開している、現代美術のプロジェクト、 _Ed and Ellis in Tokyo_。18日に3つの拠点会場を回るバスツアーが出たので、 それに参加した。ちなみに、拠点会場は、 東長寺講堂・P3, 新宿区四谷4-34, tel.03-3353-6866 98/10/8-25 (月火水休), 11:00-20:00 NADiff, 渋谷区神宮前40908 カソレール原宿B1, tel.03-3403-8814 98/10/2-25, 11:00-20:00 東京都現代美術館スタジオ, 江東区三好4-1-1, tel.03-5245-4111 98/10/11-18 (月休), 10:00-18:00 (金-21:00) の三ヶ所。会期中、様々なイヴェントが行われている。 平面立体インスタレーションを制作するというよりも、ハップニング的なもの。 「東京の好きなところと嫌いなところは何ですか? What do you like and dislike about Tokyo?」 という問いを人々に投げかけて、そこから生まれる出来事を作品に していく、とでもいったもの。 正直に言って、三つの拠点にある「資料」だけを見てもそれほど興味深いと思えない。 そういう意味で、18日のバスツアーに参加して良かったと思う。予定では拠点の 三ヶ所と Art-Link をやっている 上野-谷中 へ行く予定だったのだが、台風通過 直後ということで、上野-谷中 が中止になってしまったのは、残念だったが。 コースを選定したナヴィゲータの 五十嵐 太郎 が「東京で最大の構築物は首都高速 である。」と資料に書いているよう、そういうものとしての首都高速を走り回り ながらそこからの東京の眺めを楽しむというバスツアーであった。そして、その コース選定はとても良かった、と僕は思っている。僕自身、以前から都内で首都高速が 作り出している周囲の空間に興味があり、自分なりに調べたこともあった題材だった ので、ツアーの前は「今さら」と思うところもあったのだけれども、実際に久しぶりに バスで走り回ってみて、そこから見える構築物やランドスケープを改めて楽しむことが できた ― 何度見ても面白いものだ ― し、今まで気づいていなかったこと (例えば 「ワールド」の看板) を教わったりもした。「首都高速」という題材はツアー前に 知らされたのだが、首都高速について昔に興味を持った理由を思い出すうちに、 いつのまにか「東京の好きなところと嫌いなところは何ですか?」に対する答えの 一つを見つけたし、それを抜きしても東京に対する興味が以前より増したように思う。 そして、そういった点が、ハップニング、コミュニケーション系のイヴェントの 最大の面白さだと僕は思っている。作家のコンセプトや筋書きを観客として読み取る のではなく、作家と観客の間やさらに観客と観客の間の駆け引きによって生まれる 場を自分を犠牲にして生じる出来事を自分で勝手に楽しむ、という。そういう意味で、 _Ed and Ellis in Tokyo_ は多分に大道芸的だと思う。 だから、バスツアーの途中、東京都現代美術館で行われたディスカッションが、 東京に関する話題や、ツアーで見てきた首都高速から光景に関する話や、そこから 発展した話題で盛り上がるといったものではなく、まるで作家に対するブロジェクト のコンセプトに関するインタヴュー ― それはそれで興味深いところもあったが ― のようになってしまったのは、残念だし、興醒めも甚だしいものだった。例えば、 誰が、大道芸人に芸のコンセプトを質問するだろうか? Ed and Ellis が、丁寧にそういった質問に答えているのを見ていると、彼らって 真面目な人たちだなぁ、と思う一方、そんな質問ははぐらかしてしまっていいんじゃ ないか、もっと芸人に徹してしまったほうが、面白いイヴェントになるのではない かなぁ、と思ってしまった。そこが、Ed and Ellis のイヴェントを体験していて 吹っ切れないな、と思った点かもしれない。 98/10/18 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕