『ノエルの一日』_Le Jour de Noel_ - France, 1998, B&W, 30m - directed by Thierry Jousse - Noel Akchote, Jackie Berroyer, Claire Denis 東京日仏学院の「カイエ・デュ・シネマ週間」の企画として、『ノエルの一日』の 日本初上映に合わせて Thierry Jousse × 樋口 泰人 トークショー があったので、 観に行ってきた。 Thierry Jousse は _Cahiers du Cinema_ 誌の編集長で、Jean-Marie Straub and Daniel Huillet とのインタヴューを収めたアナログLP3枚組 _Entretiens_ (Rectangle, REC-ESH1,2,3, '98, 3LP) というものも今年の夏にリリースしている。 その Jousse の初監督作は、Straub & Huillet のインタヴュー盤をリリースした Rectangle レーベルの主催者の一人 (もう一人は Quantin Rollet) であり、 The Recyclers のギタリストでもある Noel Akchote を主人公とする白黒短編映画。 ドキュメンタリーのようでもありフィクションのようでもあり。 スタジオ録音風景のような音楽制作話を好んで映画の題材にする映画監督というと、 まず Jean-Luc Godard を思い出すのだが、(例えば、『右側に気を付けろ』('87) とか。)、それに比べると…。って、比べても仕方ないのだが。処女作にしては よく出来ているかな。まあ、MTVっぽさが無いのはいいかもしれない。 Quantin Rollet は出演してないけど、Rectangle 設立のエピソードみたいな シーンもあったりするし。Stock Hausen & Walkman や Lol Coxhill が出てくるし。 そういう楽しみは出来るかもしれない。 Thierry Jousse × 樋口 泰人 トークショー 東京日仏学院, 飯田橋 98/12/12, 15:00-15:40 映画上映後の対談で、Jousse は、Godard に影響を受けた人は映画の世界よりも 音楽の世界に多いのでは、みたいなことを Jousse 言っていたが、どうだろうか。 音楽的というか音に意識的な映画作りに関して Jean-Luc Godard、Jacques Tati、 Alain Resnais といった監督に言及していたけれども、ま、そうだろうなぁ、と いう感も。映像と音声の矛盾するような関係までに話が到らなかったのは、 ちょっと物足りなかったかもしれない。 98/12/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕